出版社内容情報
豊かさの中に広がる精神的貧困。マルクス=大塚、ヴェーバー=大塚理論の新たな展開と深化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずしょのかみ
6
史学科のf教授、この先生は大塚久雄の定年直後に東大で学んだ方であったが、次のように仰っていた。「大塚さんについて注意すべきは、彼がクリスチャンであったということです」本書では大塚久雄がキリスト教について述べている部分が多く、それを読むと、彼の学問のエートスにキリスト教が大きく影響していたことが分かる。「生活の豊かさ」つまり経済的豊かさのみならず「心の豊かさ」つまり社会的分業による「疎外」から開放された状態、人間存在の自己肯定感の獲得を社会科学に求める姿勢である。人間を科学的に研究対象とした点、興味深い。2018/08/09
しんしん
1
「精神的貧困の問題が解決されなければ、経済的貧困の問題の解決のめどが見いだされない」という言葉が印象に残った。 多くの講演や対談を収録された一冊。 社会科学を学ぶ意義の話も気になった。2020/03/18