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京大人気講義シリーズ
身体論のすすめ

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  • サイズ B6判/ページ数 191p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784621075982
  • NDC分類 114.2
  • Cコード C1330

内容説明

誰もが一つずつもつ、にもかかわらず、誰一人として同じでない「身体」。その「身体」という契機によって、私たちが繰り返し問い続けるに値する根底的な「問い」をその根っこからラディカルに確認すること―それが本書のめざすところである。美術、音楽、宗教、天皇制、学校、労働、医学、生物学…11人の論者が掘り下げたその「問い」は、ときに補いあい、ときに重なりあい、ときに呼びかけあい、ときに打ち消しあう。だから、本書に「答え」はない。本書が指し示すものは、あくまで「入り口」、そしてそこから続く果てしない知的探求への「予感」だけだ。

目次

寄せて上げる冒険―あるいは身体のポリティクス
第1部 表現と身体(ポルノ的身体とは何か―表象理論と身体;日本で裸体を描く―美術と身体;音楽は「聴く」ものか―音楽と身体)
第2部 行為と身体(僕は、昔、皿洗いだった―技能と身体;痛み・悼み・祈る―宗教と身体)
第3部 制度と身体(明治維新と天皇―天皇制の身体;教室で座るということ―学校と身体;耕す体のリズムとノイズ―労働と身体)
第4部 科学と身体(「機械」と「歴史」のあいだ―生命科学の身体観;「血液循環の発見」とは何か―近代医学の身体観)
言葉にできない―死と身体

著者等紹介

菊地暁[キクチアキラ]
京都大学人文科学研究所助手。1969年北海道生まれ。1992年京都大学文学部史学科国史学専攻卒業。1999年大阪大学大学院文学研究科日本学専攻博士課程修了(文学博士)。同年より現職。専門は民俗学。生活者の身体から生み出されるコトバ・モノ・ワザが学知・メディア・社会制度によって対象化される際に生じる相互作用の多角的な研究を試みる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Mentyu

3
身体論についての講義を書籍化したもの。絵画におけるヌードの描写から、天皇、そして人形まで、文理のあらゆる角度から身体論のトピックが論じられている。学部1年生以上の入門書として編集したとのことだが、その目的に十分沿うものになっているだろう。個人的には西洋音楽の五線譜が、身体性を極限まで排除した音楽表記システムであるという話が興味深かった。2021/05/05

水色。

3
身体を、そして身体で、考えることを掲げたオムニバス篇であり、各々の関心に応じてすらりすらりと読むことができる書である。理論や概念を学ぶにつれ実際人間にどのように関わるのか、という点が薄まりがちであるが、身体に根ざすことによってわれわれに還元されうるものとなるのではないだろうか。個人的には「ポルノ的身体とは何か」「日本で裸体を描く」「言葉に出来ない」の三篇がとりわけ興味関心に即しており、引き込まれるように読んでしまった。2011/04/19

たろーたん

1
岡田暁生「音楽は「聴く」ものか」がよかった。音楽は聞くものと思っているけど、音楽は読みものだとする話。例えば、音楽演奏するものというよりも数学と考える傾向がある、弦の長さの黄金比や音列技法等。また、西洋音楽史をみると、音楽を身体から切り離し、客観的な音の秩序へと昇華しようとしている。ここから考えると、音楽は聴くものというよりも、客観的な科学の対象や文字・エクリチュールとしての存在というニュアンスが強いらしい。 2019/05/22

1
人体や身近な物の形を理解するための本を探していたので、ぴったりそうなのを教えていただいて嬉しかった。新しい知識を得るというより、今まで見ていたものを新たな角度から見直す、という内容だった。役立てることができるかどうかは分からないけど、どの講義も興味深かった。2018/01/21

Fukuju

1
身体論という聴きなれない言葉であるものの、身体と様々な事柄の繋がりを求める学問であるだけに、イメージはしやすい。様々な分野と身体について、先生方が短くまとめているため、どれか一つはしっくりくる「身体論」があるのではと思う。菊地 暁先生目当てに読んで、やはり面白かった。他の各論も興味深かった。2013/07/09

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