内容説明
誰もが一つずつもつ、にもかかわらず、誰一人として同じでない「身体」。その「身体」という契機によって、私たちが繰り返し問い続けるに値する根底的な「問い」をその根っこからラディカルに確認すること―それが本書のめざすところである。美術、音楽、宗教、天皇制、学校、労働、医学、生物学…11人の論者が掘り下げたその「問い」は、ときに補いあい、ときに重なりあい、ときに呼びかけあい、ときに打ち消しあう。だから、本書に「答え」はない。本書が指し示すものは、あくまで「入り口」、そしてそこから続く果てしない知的探求への「予感」だけだ。
目次
寄せて上げる冒険―あるいは身体のポリティクス
第1部 表現と身体(ポルノ的身体とは何か―表象理論と身体;日本で裸体を描く―美術と身体;音楽は「聴く」ものか―音楽と身体)
第2部 行為と身体(僕は、昔、皿洗いだった―技能と身体;痛み・悼み・祈る―宗教と身体)
第3部 制度と身体(明治維新と天皇―天皇制の身体;教室で座るということ―学校と身体;耕す体のリズムとノイズ―労働と身体)
第4部 科学と身体(「機械」と「歴史」のあいだ―生命科学の身体観;「血液循環の発見」とは何か―近代医学の身体観)
言葉にできない―死と身体
著者等紹介
菊地暁[キクチアキラ]
京都大学人文科学研究所助手。1969年北海道生まれ。1992年京都大学文学部史学科国史学専攻卒業。1999年大阪大学大学院文学研究科日本学専攻博士課程修了(文学博士)。同年より現職。専門は民俗学。生活者の身体から生み出されるコトバ・モノ・ワザが学知・メディア・社会制度によって対象化される際に生じる相互作用の多角的な研究を試みる
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