内容説明
『楽園のこちらがわ』『華麗なるギャツビー』あるいは『雨の朝、パリに死す』などの作品によって、狂乱の20年代の旗手、ジャズ・エイジの桂冠詩人、あるいは燃え上がるアメリカ青年の王者と称せられ、みずからもその役割を認じつつ、消費文化社会を短くも華麗に走り抜けた作家・フランシス・スコット・フィッツジェラルド。世間の虚像と作家的内面性の軋轢で、あたら浪費された才能。そして妻の精神異常の顕在化、文学の第一線からの急速な失墜と傷ましい最期…本書は彼の波乱にとんだ生涯と作品について、ドラマティックに描いてゆく。
目次
第1章 愛しき人よ
第2章 丘の上の少年
第3章 プレリュード
第4章 新しい時のなかで
第5章 信じるところへ
第6章 舞台の上と机の上とスポットライトの下で
第7章 捨てる夢のかわり―流れた時から戻りついた朝
第8章 男と男、友と友
第9章 忘れないわ