出版社内容情報
モード論を知るための基本文献。原著は1994年に出版されると、欧米の科学技術政策担当者や科学論者の間で大きな注目を集めた。
●グローバルな知の行方を追う
知の性質は、本来、境域横断的である。その営みはしばしば既存の学問領域の垣根を越え、組織の境界を跨ぎ越し、あるいは国境を越えて展開される。ここでは、境界を越えて融合した知識の行方を追い、その背景となってきたグローバル経済の特質を探求する。
われわれは、知識科学が拓く多様な研究領域を見てきた。しかし、これまでの旅程は、諸科学の再編・統合を目指す知識科学という企てにとって、まだ始まりに過ぎない。微視的な視点からの探求は、遺伝子レベルでの知のエレメントの発見にまで及び、他方、巨視的な視点からの探求は、国ないし地球規模で知を活用するためのメソドロジーをも包括するであろう。知ることへの欲求が終わらない限り、それらを横断する知識科学のフロンティアも拡張し続ける。新しい研究領域への遍歴の叙事詩が始まる。
内容説明
ここ数年、サリン事件、薬害エイズ問題など、科学技術と社会の相互関係の再考を求める事件・事故が相次いでいる。そして、科学技術は社会から孤立するのではなく、企業活動、教育、環境問題など、さまざまな社会活動と密接な関係を持つべきであるという市民からの期待が高まっている。科学技術は社会との関連においてどのような姿であるべきか。また科学技術を含む知的な生産活動のスタイルはどうあるべきか。本書では、新しいコンセプト『モード』を導入することで総合的観点から考えてゆく。
目次
第1章 知識生産の進化
第2章 知識の市場性と商業化
第3章 研究のマス化と教育のマス化
第4章 人文科学の場合
第5章 競争、コラボレーション、グローバル化
第6章 制度を再配置する
第7章 社会的に分散した知識のマネジメントに向けて
感想・レビュー
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りゅう
Ryosuke TAKEUCHI
Ryosuke Tanaka