丸善ライブラリー
現代社会と知の創造―モード論とは何か

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  • サイズ B40判/ページ数 293p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784621052419
  • NDC分類 401
  • Cコード C0236

出版社内容情報



モード論を知るための基本文献。原著は1994年に出版されると、欧米の科学技術政策担当者や科学論者の間で大きな注目を集めた。

●グローバルな知の行方を追う
知の性質は、本来、境域横断的である。その営みはしばしば既存の学問領域の垣根を越え、組織の境界を跨ぎ越し、あるいは国境を越えて展開される。ここでは、境界を越えて融合した知識の行方を追い、その背景となってきたグローバル経済の特質を探求する。

 われわれは、知識科学が拓く多様な研究領域を見てきた。しかし、これまでの旅程は、諸科学の再編・統合を目指す知識科学という企てにとって、まだ始まりに過ぎない。微視的な視点からの探求は、遺伝子レベルでの知のエレメントの発見にまで及び、他方、巨視的な視点からの探求は、国ないし地球規模で知を活用するためのメソドロジーをも包括するであろう。知ることへの欲求が終わらない限り、それらを横断する知識科学のフロンティアも拡張し続ける。新しい研究領域への遍歴の叙事詩が始まる。

内容説明

ここ数年、サリン事件、薬害エイズ問題など、科学技術と社会の相互関係の再考を求める事件・事故が相次いでいる。そして、科学技術は社会から孤立するのではなく、企業活動、教育、環境問題など、さまざまな社会活動と密接な関係を持つべきであるという市民からの期待が高まっている。科学技術は社会との関連においてどのような姿であるべきか。また科学技術を含む知的な生産活動のスタイルはどうあるべきか。本書では、新しいコンセプト『モード』を導入することで総合的観点から考えてゆく。

目次

第1章 知識生産の進化
第2章 知識の市場性と商業化
第3章 研究のマス化と教育のマス化
第4章 人文科学の場合
第5章 競争、コラボレーション、グローバル化
第6章 制度を再配置する
第7章 社会的に分散した知識のマネジメントに向けて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りゅう

1
モード論の本。科学技術の発展様式が明らかに変わってきていることを指摘している。産学連携の研究などがその例だ。専門用語が多くあまりお勧めはできないが、科学技術が停滞しているとはっきり書いてあるあたり理系大学生としてハッとさせられた。社会が複雑化する中で、どう生きていくか、差別化を図るか、考えさせられる本だった。2015/06/25

Ryosuke TAKEUCHI

1
本全体としては事例紹介がなく自身の考えを書き連ねているだけなので、肯定も否定もできない。最大の問題点はモード2は昔からあったのに、筆者自身が発見できた時期をモード2が出現したとみなしていること。この本を理解するには当時に状況を知る必要があるだろうが、そこまで読み解く気もない。期待して読んだのに、残念だった。2014/12/20

Ryosuke Tanaka

0
ディシプリン外部における知的生産というものについて語り始めた、という所が本書の功績なのだろうと思う。より科学社会学的な内容を予想していたので、むしろ経営的・経済学的な観点からの記述が多いのに面食らった。まえがきにもあるがデータなどに基づいた「論」では全くなく、ただ「解説」をしているという調子なので、全体としてどれくらい真に受けるか判断に困るところがあり、よく参照される割には多くの人にとっては読む価値がそんなにない本、という印象。2017/07/05

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