内容説明
遺棄された戦場の国レバノン、揺れるアラブの盟主シリア、サバイバルに賭ける王国ヨルダン、安全保障という悪夢を抱えるイスラエル、国なき悲劇の民族クルド―。中東は一枚岩ではなく、どんな精密な理論にもあてはまらない錯綜した情況にある。本書は、通信社の特派員として中東の十カ国を飛び回った著者が、既存の「中東の常識」を白紙に戻し、ジャーナリストとして実際に現場を踏んで自分の目と耳で確かめた事実を克明に記録したルポルタージュである。
目次
第1章 キプロス―東地中海の天国
第2章 レバノン―遺棄された戦場の国
第3章 シリア―揺れるアラブの盟主
第4章 イラク―誇り高きメソポタミアの民
第5章 ヨルダン―サバイバルに賭ける王国
第6章 イスラエル―安全保障という悪夢
第7章 PLO―変質した民族解放運動
第8章 クルド―国なき民族の悲劇