岡本太郎が撮った「日本」

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  • サイズ A5判/ページ数 127p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784620605746
  • NDC分類 748
  • Cコード C0070

内容説明

岡本太郎は画家でありながら、手を使うより眼(カメラ・アイ)で対象を描く人であった。或いは眼で対象を掴み取ったと云った方がよいかも知れない。手は眼の作用を邪魔するものとして岡本にもどかしさを感じさせていた。岡本には目の前にあるのではなく、岡本の眼が掴みとった物の背后にある「もの」を鮮明に再現するのが、この写真集である。

目次

「日本」最深部への旅―岡本太郎のフィールドワーク(縄文―眼の革命へのプロローグ;秋田―「日本」の最深部へ;長崎―「民衆」との対峙 ほか)
生きている太郎の眼―対談(岡本敏子;山下裕二)
四十年前の「いま」岡本太郎の写真が伝えるもの

著者等紹介

岡本敏子[オカモトトシコ]
1926年、千葉県生まれ。岡本太郎記念現代芸術振興財団理事長。岡本太郎記念館館長。1947年、東京女子大学卒業。翌’48年、岡本太郎の秘書となり、以後その死去まで約50年間あらゆる制作活動に立ち会い、取材に同行、口述をメモし、執筆をたすける。後に岡本太郎の幼女となる。著書に『岡本太郎が、いる』(新潮社)、『岡本太郎に乾杯』(同)など

山下裕二[ヤマシタユウジ]
1958年、広島県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。室町時代の水墨画を主な研究領域としながら、写真・マンガ・現代美術なども論じる。近年は美術展企画にも精力的に取り組んでいる。論文「夏珪と室町水墨画」で第5回国華賞。現在、明治学院大学教授。近著に『岡本太郎宣言』(平凡社)、『室町絵画の残像』(中央公論美術出版)、赤瀬川原平との対談集『京都、オトナの修学旅行』(淡交社)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

285
岡本太郎と写真との結びつきは存外に深いようだ。かつて、彼がパリにいた当時にはブラッサイ、マン・レイ、キャパといった名うての写真家たちとの交流もあり、とりわけブラッサイとは仲がよかったらしい。本書は1957年に『芸術新潮』に連載された「日本再発見ー芸術風土記」の写真群である。岡本はそのために日本全国を行脚し、これらの写真を撮ったのである。ただ、彼の絵画や塑像と比べると案外にも平凡な印象は免れない。素材も秋田ならナマハゲ、出雲では出雲大社などと驚きがない。アングルや構図にしてもそうだ。2023/12/16

たまきら

15
梅原猛さんが太郎さんの「俺が縄文土器を発見したんだ!」という言葉に失笑している人たちを見て「いや、彼こそが最初に縄文土器の価値をはっきり理解した人なんだから、彼の言葉は正しいんだ」というようなことを何かの本で書いていらして、にやりとしたっけ。芸術家は言葉足らず。でも、その情熱や関心は視点で取り込める。太郎さんの写真は初めて見たけど、「日本」「原点」への熱い視線を感じました。2016/01/15

鈴木

3
本当岡本太郎は唯一だと思うわけです。彼は写真家ではないけれど、彼の撮る写真はとてもすき。ギリギリッと太郎が表現するように、なんかこう、緊張感があって強いように思う。もちろん絵や言葉やオブジェもそうだけど、写真に関しては自分も撮るからより思う。彼の見る世界に惹かれる。こんな日本は、きっともうない。2012/08/24

あた

2
スナップショットの素晴らしさに驚くと思います。多分軸がはっきりしての撮影だからとこの本に惹かれるのだと思います。 岡本太郎の挑む姿勢と時代の流れ、また、時代の流れに対する岡本太郎の感情の移り変わりを見ることができます。また、写真の選択にもありますが、岡本太郎の優しさにも触れることができると思います。表現者 岡本太郎のいつもと違う一面に興味があるならばぜひ。

なまこんぶ

1
さぞかし暗いだろうにもかかわらず、ブレずに鮮明に写真が撮れる技術の高さがすごい。巻末近くの岡本敏子氏との対談も面白かった。2023/09/16

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