感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
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日本が揺れた1995年、岐阜に平面のない「日本一危険なテーマパーク」が完成する。凸凹と急斜面、暗闇と狭い空間で占められるそこでは、二足歩行を禁じられる。戸惑い、次に習慣と対話し、気が付くと新しい歩き方を発明している。一歩一歩未来に進むごとに懐かしさが生まれ、遠くに自分の分身の存在を感じ取れるようになる。そばにいる人の声が遠く聞こえ、離れた人が近くに感じる。この新たな時空と共に動くたびに「私」は生まれる。このような体が揺さぶられ、人間の習慣を捨てて生命から始めようとする実験を荒川+ギンズは「建築」と呼んだ。2017/02/11