内容説明
投げたボールは返ってこなかった…。知られざる日本プロ野球史の謎に迫る。敗戦から日本のプロ野球が復活した時、加盟申請しながら却下された球団があった。「東京カッブス」―。なぜ「東京カッブス」は幻に終わったのか。球団創設に邁進した河野安通志とは、どんな人物だったのだろうか。
目次
プロローグ―残された一枚の名刺
河野安通志はなぜ、こんなにも無名なのだろう
早慶戦の歴史は、河野の第1球から
「東京カッブス」は幻の球団だったのか?
「野球の用語を全部日本語にしろ」だって?
プロ野球が生き残るためには…
食糧不足の中、六千人の観衆が集まる
やるだけのことはやった。あとは待つだけ
加盟申請の却下知らずに?河野死す
エピローグ―理想と現実のはざまで
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
渋谷英男
1
東京カッブスのことは今まで読んだものには全然書いてなかったので知らなかったけど、この本は面白かった。☆52016/12/14
渡辺 にゃん太郎
1
戦後、プロ野球チームとして加盟を目指していた東京カッブスは申請を却下される。申請者は河野安通志で生前は早稲田の選手、監督、日本野球連盟ができる前に日本初のプロ野球球団を創設した人物である。河野の不遇は巨人軍の反対が原因であり、本文は巨人を否定するような書き方が見受けられる。確かに河野の申請は却下されたが、河野がプロ野球に期待したことは自分がチームを持つことではなく、プロ野球を通じた心身の鍛錬ではないか。そういう意味では「巨人軍は常に紳士たれ」の文句が現在に浸透しているかの方に関心を向けるべきだと思う。2015/04/18