内容説明
『菊と刀』に匹敵する名著と評され、官僚批判の火付け役となった『日本/権力構造の謎』につづき、本書では「政治化された社会」等の新概念で日本のリアリティーにさらに深く斬り込む。本書は日本の読者に向けて書き下ろされたオリジナルである。
目次
第1部 よい人生を阻むもの
第2部 日本の悲劇的使命
第3部 日本はみずからを救えるか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
146
著者ウォルフレンは20年以上日本に滞在したオランダのジャーナリスト。知日派と知られ、日本の政治統制システムに警鐘を鳴らし続ける人物である。本書彼の代表作とも呼べる作品であり、日本人が幸福になれないのは政治システムと在り方と、それを一部の政治管理者と呼べれる者たちが意識的に国民から政治参加の機会を奪ったこととと、民衆が無意識的・もしくは意識的に政治参画をしてこなかったことが主な原因と結論付けている。2016/08/01
カザリ
43
1994年なんだよね。。なんか、古くなってないのがびっくり。。私が小学3,4年の時で、父が今の私と同じ33歳の時に読んでて、それで家にあったのでめくった。。ああ、なんか経済のことがよくわからなかったんだけど、20年前はよくなっているような気がするんだけど、実際どうなのだろう。判断できない。難しかった。2015/09/20
エリク
31
課題研究関連で読みました。もともと課題研究のテーマにする程度には、興味を持っていたこともあって楽しめたし、いろんな知らなかったことも知れて良かったです。2020/11/26
nobody
15
権力=体制支配者、本書に曰く管理者たち(アドミニストレーターズ)に申し上げる。全ての洗脳・世論操作・欺瞞隠蔽・イカサマをやめて(最近は公文書偽造や統計捏造にまで手を出すようになったが)真実で勝負してみよ。国民年金保険料が漸増していこうと医療保険窓口負担が3割だろうと消費税が何%になろうと、24時間ラーメン屋が開いててキリスト教的倫理を破壊しセフレやり放題の社会を作ってくれた諸君を、この大衆は支持してくれる。際限のない産業拡大こそ国益との君らの信念はビートたけしの言う生活保障という大衆の望みに合致している。2019/02/10
Saiid al-Halawi
12
ようするに何かというと日本の政治的機構の欺瞞に対する説得的な論述。巷でいうところの「社会人」はいわゆる市民からシチズンシップを完全に取り払った存在なのだなぁと。政治勢力としての市民社会の不在。個人的利益の追求にのみ身をやつす人間は市民社会のフィールドで政治的主体たりえない。2013/09/02