出版社内容情報
これは2000年4月より開始された放送大学の「イノベーション経営」の教科書として編集されたもので、山之内昭夫氏、原陽一郎氏など企業の実状に詳しい7人の共著である。企業の中核的技術リーダーを想定した大学院レベルのテキストである。
●グローバルな知の行方を追う
知の性質は、本来、境域横断的である。その営みはしばしば既存の学問領域の垣根を越え、組織の境界を跨ぎ越し、あるいは国境を越えて展開される。ここでは、境界を越えて融合した知識の行方を追い、その背景となってきたグローバル経済の特質を探求する。
われわれは、知識科学が拓く多様な研究領域を見てきた。しかし、これまでの旅程は、諸科学の再編・統合を目指す知識科学という企てにとって、まだ始まりに過ぎない。微視的な視点からの探求は、遺伝子レベルでの知のエレメントの発見にまで及び、他方、巨視的な視点からの探求は、国ないし地球規模で知を活用するためのメソドロジーをも包括するであろう。知ることへの欲求が終わらない限り、それらを横断する知識科学のフロンティアも拡張し続ける。新しい研究領域への遍歴の叙事詩が始まる。