扶桑社新書<br> 丸腰国家―軍隊を放棄したコスタリカ 60年の平和戦略

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扶桑社新書
丸腰国家―軍隊を放棄したコスタリカ 60年の平和戦略

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784594058722
  • NDC分類 302.576
  • Cコード C0295

内容説明

「理想」ではなく「現実」のもとに軍隊をなくした人々。教育も医療も無料!世界が“対テロ戦争”に突き進む一方で、「国家の非武装化」というもう一つの潮流がある。

目次

第1部 「丸腰国家」コスタリカの真実(コスタリカはどうやって軍隊をなくしたのか?;軍隊がなくても大丈夫なのか?;コスタリカには本当に軍隊がないのか?;コスタリカは軍隊を持てるのか?)
第2部 「丸腰国家」をつくる人たち(コスタリカ人とはいかなる人たちか?;コスタリカ人が考える平和とは何か?;コスタリカは「平和のパラダイス」か?;還暦を迎えた「軍隊をすてた国」)

著者等紹介

足立力也[アダチリキヤ]
1973年福岡市生まれ。日本唯一のフリーランス・コスタリカ研究家。立命館大学大学院国際関係研究科博士課程前期課程修了。会社員時代を経て1999年からコスタリカに滞在し、国立ナシオナル大学大学院博士課程に在学、2000年に中退。コスタリカを描いたドキュメンタリー映画「軍隊をすてた国」アシスタント・プロデューサー。2004年参議院議員選挙では「みどりの会議」公認候補として全国比例区で立候補し、「経済成長至上主義」からの脱却と「スロー、スモール、シンプルな社会」への移行を訴えた。現在、コスタリカ・ピースツアーの企画、平和問題や教育問題などに関する執筆、講演を行い、紛争解決ワークショップや平和塾を手がけるなど、「平和の水先案内人」として幅広く活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

活字スキー

28
「平和とは何か」を、1948年の軍隊廃止宣言以来60年に渡り「丸腰国家」としてやってきたコスタリカの歴史を紐解きながら考えてみる。それはもちろん「センソウハンタイ、センソウハンタイ」と馬鹿のひとつ覚えのように、壊れたテープレコーダーのように繰り返すことではない。軍隊とは何か。何の為に軍隊は存在するのか。その為にはどんなリスクやコストを負わなければならないのか。軍隊に依らずに目的を達することは出来ないのか。敢えて軍隊を持たないことにどんなメリットがあるのか。政治とは「可能性の芸術」であると、改めて思う。 2019/07/16

ロビン

18
「軍隊を持たない国」として知られるコスタリカについて、国の在り方を決めた経緯と歴史、その平和戦略、国民性、現在の教育・社会問題等がまとめられた好著。「軍隊を持たない」という選択が、一人の指導者の政治的な判断であり決して理想主義から出たわけではないこと、小国が大国の圧力の中で生き延びるためにむしろ現実的な方策であったこと、しかしコスタリカ国民は自国の民主主義と平和的な在り方に強い意志と誇りを持っていること、経済的には発展途上国でも教育費は日本の2倍であることなど、勉強になった。平和について考えさせられる本。2019/08/01

coolflat

11
コスタリカには軍隊がない。コスタリカ憲法12条には「恒久的組織としての軍隊は禁止される」という条項が盛り込まれている。ちなみにコスタリカ憲法は軟性憲法であり、国会議員の3分の2の賛成で改正できる。実際、1949年から現在に至るまで、実に80以上もの項目が部分改変された。しかし12条に関しては、全く手つかずのまま、現在に至っている。ところでなぜコスタリカには軍隊がないのだろうか。それは平和主義を具現化したものでもなければ、市民が求めたものでもないという。当時の国内的・国際的情勢からその選択を選んだのである。2016/10/03

みのにゃー

9
実際軍備をそろえるのはお金がかかる。そのお金を全て教育と福祉にあてられたらいいだろうな。コスタリカと日本の事情は違うので簡単にはいかない。国民の希望がみな同じ方向を向いていることが絶対条件だし。日本がこれを出来たとしたら、戦後だったろう。2009年にこの本が出版されてから7年。コスタリカに変化はあったのかな。この奇跡のような国が存続でき、軍隊を持たない国が増えますように。2016/10/11

imagine

8
軍隊を持たなくなった理由には偶然の産物的な面もあり、さほど衝撃はない。むしろ第6章の「平和とは」に目から鱗が落ちた。日本では「平和=反戦」になりがちだが、コスタリカでは「平和」に関して多様な価値観がある。そればかりか「平和とは終わりなき闘いである」という能動的な定義を持つ。丸腰だけれど、決して弱腰ではない。日本には期待できなくても、あとに続く国が現れてほしい。2017/11/28

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