内容説明
カリフォルニアの地方都市で、市長として長年権勢を誇った父親を持つジミーは、自らも大学時代はスポーツの花形選手であり、輝かしい将来を確実視されていた。しかし父親亡きあと、今は保険代理店のしがない外交員として冴えない日々を過ごしている。ジミーの鬱積のはけ口は、代理店経営者の妻イヴとの、覚醒剤を伴ったSMセックスだった。やがてイヴに殺人をそそのかされたジミーは、後戻りできない暗黒の道を突き進んでいく。人間の持つ悪の部分を容赦なく突き詰めて描いたノワール小説の傑作。
著者等紹介
ハリントン,ケント[Harrington,Kent A.]
カリフォルニア州サンラファエル在住。『転落の道標』のほかに『Dia de los Muertos/The Day of the Dead』(扶桑社単行本近刊)がある。2000年には新作『The American Boys』を発表した
古沢嘉通[フルサワヨシミチ]
大阪外国語大学デンマーク語科卒。訳書はI・マクドナルド『火星夜想曲』(ハヤカワ文庫)、マイクル・コナリー『わが心臓の痛み』(扶桑社)など数十冊
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