内容説明
ハッカー―コンピュータをはじめ、ありとあらゆる情報システムに侵入して改変をおこなうアウトローたち。だがかれらの行動は、単なる犯罪行為ばかりではない。それは、テクノロジーの新たな地平を目指す挑戦であり、自由をもとめる精神の戦いでもあるのだ…1980年代以降のカルチャー・シーンを大きく変貌させた、ウィリアム・ギブスンの歴史的名作を筆頭に、ポスト・サイバーパンク世代の新たな成果まで、名編集者コンビが厳選した最強のハッカー小説、全13編!新世紀のヴィジョンがここにある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hepatica nobilis
8
『ニューロマンサー』で挫折して以来ギブスンはほぼ素通り。『クローム襲撃』『ドッグファイト』は確かに名作なのだろうが、ゴタゴタとし過ぎている。自分が面白いと感じたのは『免罪師の物語』『タンジェエント』『遺伝子戦争』あたり。読むのに時間がかかってしまった。2014/10/05
けいちゃっぷ
5
序文で編者が広義のハッカーものと書いているが、今じゃハッカーといえばコンピュータハッキングしかイメージできないからタイトルは変えた方がもっと読まれたかも。 全部が全部、ハッカーを正面から扱ってるわけじゃないしね。 どちらかと言えばポストサイバーパンクっぽいのが多い気もするが、それは私のイメージであってポストサイバーパンクの定義は?と聞かれてもわからんが。 個々にはどれも良かったが、期待が大きすぎたのか突き抜けて印象に残ったのがなかったのが残念。 449ページ 2013/07/16
konomichi
4
ハッカーネタを使ったSF短編集。ギブスンとかイーガンとかそれこそ第一線級のSF作家さんの作品集なので、お得感満載で、すべての短編が長編でも行けるやろ?レベルのアイデアがてんこ盛り。すぐにおなかいっぱいになれます。2017/11/17
unknown
3
不朽の名作「クローム襲撃」「ドッグ・ファイト」。架空の研究書のレビューという形でアイデアの数々を詰め込んだ「われらが神経チェルノブイリ」。異星人侵略という定番ネタに巧みにハッカーの設定を絡めた「免罪師の物語」。医療システムの闇と姉妹の葛藤を書く「血をわけた姉妹」。人格複製が一般的となった世界で<人間の死>とは何かを書く「死ぬ権利」。『接続された女』ならぬ「連結する女」といった感のストロングな官能作「マシン・セックス(序論)」。四次元世界の扉を開く少年を書いた、切ない余韻を残す「タンジェント」。うーん充実。2012/11/27
郵便屋
2
「クローム襲撃」「ドッグファイト」の2つはやはり傑作。ブルース・スターリングへの株価もあがった。シルヴァーバークのも良い。ああ、「ハッカー」という言葉の強さを久しぶりに感じる。2013/10/19