内容説明
連続殺人犯担当だったＦＢＩ捜査官テリー・マッケイレブ。心筋症を患っていた彼は心臓移植を受け、早期引退していた。病院から退院した彼のもとにある女性が現れる。その女性グラシエラによると、いまマッケイレブの胸のなかで動いている心臓はコンビニ強盗に遭遇して絶命した彼女の妹グロリアのものだという…。因縁の糸に導かれ、事件の解決にのめり込んでいくマッケイレブが到達した真相とは？『ナイトホークス』でのデビュー以来、ミステリーの最前線を疾走するコナリーが、テーマ、プロット、キャラクター…それらすべてに趣向をつくして、現代ハードボイルドのさらなる可能性を拓いた意欲作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
82
新しく行った図書館にありつい借りる。評判のハードボイルド作家の映画化作品。元FBI捜査官の捜査と犯人の正体が読ませどころか。異常殺人ものだという。正直個人的に食傷気味なジャンルなのだが、この作家を信頼して読み出す。一気に半分近く読めて驚く。相変わらずの伏線とその回収の上手さに驚く。登場人物たちも複雑で味がある。自分はこの作家の作品は、まだ四作目であまりにがっついて読み飛ばさないように自重している。オススメ。2018/06/19
空猫
42
【海外ﾐｽﾃﾘﾏｽﾄﾘｰﾄﾞ50/100】心臓病の為､早期引退した捜査官マッケレイブの元に､一人の女性が妹を殺害した犯人を見つけるように依頼しに来た。結局捜査を始めるも､警察が糸口も見つけられない事件を､権限無しの男一人で見つけられるのか?…事件はドミノ倒しがクモの巣状に広がるように幾つも繋がっていて､ラストは見事にピースがはまる…そのテンポの良さで先が気になって仕方なかった。490頁でさらに二段組で読みごたえあり。キャラも良いいね。 ーー『砂の器』→英訳題『今西刑事捜索す』にずっこけた。 2022/07/21
わたなべよしお
26
読み始めたら止まらない。これも傑作です。ザ・ポエット事件に今作の主人公、テリー・マッケイレブが関わっていたかな？捜査に加わっていたような書き方してるけど、憶えてないな。レイチェル・ウォリングも名前だけ出てきたし、「墓場男」事件の内容もやっとわかったし。ああ、リンカーン弁護士、マイクル・ハリーとその父親(ボッシュの父親でもある)への言及もあって、コナリーファンにはちょっと嬉しくなるよなぁ。みんなコナリーワールドで生きているんだ。2020/07/18
kai
16
★★★★★映画が先だったが、原作読んだらこれが何倍も面白い。観た後なのに(15年以上前だったと記憶している)読書中、全くイーストウッドに脳内変換されないのだ。これだけでもこの小説がどれだけ凄いのかが解る。終盤の展開は、天下御免の出来だ。まさに頁をめぐる手が止まらない。ボッシュ物の良作と双璧の出来だ。私、今更ながらですが、コナリー中毒になりました。2020/10/21
みやび
11
心臓移植を受けた元FBIマッケイレブの暮らすボートに現れた女性。マッケイレブの心臓は殺された妹のものだと言い、その事件の調査を強引に依頼する。大量の薬と制限だらけの生活の中、FBIでも探偵でもない身分で、邪険にされながら調査するなんて、愛と正義の塊みたいな男だなあ(サポートするバディにはもっと優しくしてほしいけど)そんな男に託せた姉は幸運だけど、私も姉なので…苦しい話でした。2018/10/03
