残酷な夜

残酷な夜

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  • サイズ B6判/ページ数 322p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784594028961
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

田舎町ピアデールに現われた青年カール・ビゲロウ。背が低く、肺を病んでいる彼は、大学の聴講生になるために、ウィンロイ家に寄宿する。その家の主ジェイクは、被告として裁判を控える身だが、暗黒街から送りこまれてくる殺し屋の影におびえる毎日だ。なにかを胸に秘めたカール・ビゲロウは、ジェイクの美しい妻フェイと、次第に接近していく。同じ下宿に住むのは、いちいち世話を焼いてくれる老人ケンダルと、脚の悪い貧しい娘ルース。見えない脅威に次第に追いつめられながらも、カール・ビゲロウは牙をとぐ。だが状況は、彼の想像を超えて展開しはじめた…究極のノワール作家ジム・トンプスンが放つ、恐るべき暗黒小説!巻頭に、スティーヴン・キングによるトンプスン論を特別収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネコベス

36
裁判の証人を抹殺する為送り込まれた殺し屋ビゲロウ。大学生として下宿に入り周りの人々を籠絡して巧みに操り、着々と準備を整え決行の日を待つ。トンプスンの十八番逃れられない破滅の道へと転落して行く殺し屋の運命を描いた暗黒小説。序盤は大人しい展開だが中盤から徐々に主人公の道行にほころびが見え始め、終盤の唐突な急展開が強烈なインパクトを残す。久しぶりの再読だったが楽しめた。2020/10/07

くさてる

15
冒頭のスティーヴン・キングの解説に驚いたけれど、もっと驚いたのはそれが著者の別の作品(「内なる殺人者(おれの中の殺し屋)」)に寄せられたものだったことでしょうか。いや、「おれの中の殺し屋」は確かに傑作なんだけど。肝心のこの本はノワール風味たっぷりな破滅譚(と思った)で、これはこの先どう転がっていくのかとハラハラして読み進めていけば、まさかのラストに、雰囲気は素晴らしいんだけどもうちょっとお話として終わってほしかったというか……。それでも最後まで面白く読めました。2020/04/15

グラコロ

14
田舎町の大学に聴講生としてやって来たカール・ビゲロウ。身長150センチで肺を病む。彼の正体はある男を殺すために送り込まれた殺し屋だ。標的は下宿の主で、その男が被告として裁判に出頭すれば、暗黒街の元締めに不利になるからだ。ビゲロウは男の妻や下宿仲間の老人や下宿の下働きをする足の悪い女子学生を次々に籠絡する。でもこのビゲロウ、意気がっているほどワルではなく、凄腕でもない。ズブズブの人間関係と殺害計画。あかん、つまらん、だめだこりゃ~!と思いきや急転直下、シュールで驚きのラスト。さすがトンプスン。狂ってます。2020/06/23

暴力と破滅の運び手

4
『ポップ1280』や『死ぬほどいい女』のような疾走感はなく、代わりにあるのはもう死んでいるも同然の男による静かな語りだけで、最後にはその声だけが暗闇に残るみたいな。カサヴェテスっぽいかも。トンプスンをずっと支えていた編集者がこれをナンバーワンとして推すのは何かわかるしエモいな。2019/11/19

eazy

4
第一級の毒薬。有害図書。物語は破綻してるが、最高にクレイジーなダーク・ノワール。2003/04/04

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