扶桑社ミステリー
ファントム〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 370p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784594015398
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

世界的な手品師として暮らした後、三十代半ばになったエリックは憧れのパリに乗り込み、オペラ座の新築工事を任されることになった。工事は十数年に及んだが、地上の生活に疲れた彼はオペラ座の地下深くに秘密のすみかを作り上げ、ようやく安住の地を得る。五十歳を前に体力も衰えると、〈オペラ座の怪人〉になることを思いつき、科学知識を駆使したトリックで人々を震え上がらせた。が、そんなエリックを、新人歌手クリスティーヌとの運命の出会いが待ち受けていた。オペラの歌詞に託して壮大なスケールで語る愛の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

財布にジャック

60
ルルーの原作本を読んだ時は、エリックが可哀想だと胸が詰まりましたが、このファントムを読み終わってみれば、ラウールも可哀想だと思いました。ミュージカルを観た時も、クリスティーヌにはちょっとむかついたんですが、このどっちつかず感は許しがたいです。でも、意外な展開にびっくりしながらも、最後まで楽しく読ませていただきました。原作では解りにくかった部分をこの小説を通して作者に補足して貰えて、オペラ座の怪人が心に残る思い出深い作品となりました。それにしてもエリック素敵過ぎです!2012/07/20

井戸端アンジェリか

23
多分私も怪人に恋をした。そこで春琴抄の佐助のように、眼を針で突いたらずっと傍にいられるのかなと考えていた。きっと彼は軽蔑するでしょうけど。 最後の章がとても良かった。神の手抜きさえなければきっとこんなふうに成長していたんだろうと思って心が締め付けられる。逢わせてあげたかったな、誇りに思うだろうな。そして自分がこの世に生まれた事をやっと許すだろうな。 ブラボー!スタンディングオベーションしてもう一度ブラボー!!! そのあと5番ボックス席にそっと座った心持でしばらく泣いた。2019/01/21

うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

21
皇帝の寵愛が薄れエリックに危険が迫る。その時ナーディルは?オペラ座の新築工事、そしてクリスティーヌとの出会いを描いた激動の下巻。ミュージカルや映画のように身に迫るような迫力こそなかったものの、その分エリックの内面に迫りしっかりと読ませてくれました。人一倍愛情を求めながらその純粋さゆえに愛に不器用だったエリック。最期には安らぎが与えられたと信じたい。エリックの元にいながらラウールのこともキープ。二人の間で揺れる女心というよりも、したたかとしか思えなかった。この本を読んで彼女の事が嫌いになりました。★★★★2011/09/09

かなえ

20
クリスティーヌが出逢ったのは、音楽の天使なのか悪魔なのか。エリックにとってのクリスティーヌは、喜び?苦しみ? 原作を読んでからまた再読してみると、違う感想を持つのかもしれない。それもまた楽しみ。2016/01/26

lethe

9
愛されなかった怪人の為の物語。ここには作者の大いなる愛に満ち溢れていて、怪人にとっての幸福を(それがIFだとしても)確かに描き切っている。2018/12/15

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