扶桑社ミステリー<br> 奇妙な人生

扶桑社ミステリー
奇妙な人生

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  • サイズ 文庫判/ページ数 335p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784594013394
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

戦争と暴力の不安が渦巻く一夜、男たちがドクター・パチーコ宅に同窓会で集う。パチーコは少年時代、彼らのヒーローであり、羨望と憎悪のないまざった人気を集めていた男だった。彼の書斎の暖炉には若く美しい女の写真が飾られていた。男たちの問いかけに、パチーコは答える。現に目の前で給仕しているセニョーラ・プッチーニの写真であり、自分は彼女の人生を破滅させてしまったのだと。パチーコがみずから明かした秘密は、そこに集う男たちの人生をもいやおうなしに暴きたてていく…。異様な迫力に満ちた異色心理劇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ayah Book

17
以前このミスか何かで紹介されていて、ずっと読みたいと思っていた本だったのだが、期待しすぎたようだ。舞台はラテンアメリカの何処かの国、内乱で荒れる室外をよそに、ドクターパチーコの屋敷では彼と家政婦(セニョーラプッチーニ)の愛と憎しみの半生が語られる。。。決してつまらなくはないのだが、本当にパチーコと家政婦のゴシップのような話を延々と読むだけなので、うーん、あまりいいとは思わなかった。主人公がただの傍観者というのもあるし、パチーコが普通にただのやな奴だし。悪の魅力とか純粋な愛というのも感じなかった。2023/12/18

くさてる

16
政治的に不安定な国で内乱がおきている最中、同窓会として友人の家に集った男たち。そこに飾られた若く美しい女性の写真。家の主人が語る、その女性とかれの物語は、その場に居合わせた他の人間の過去と現在もかき乱す内容となって…という物語。いやもう、人間心理のエグさと惨たらしさがもたらした残忍な言動の描写に、思わず斜め読みで逃げた頁もあることを告白しておきます。異様な迫力と最後まで読まずにはいられないリーダビリティがあるのは認めますが、これはとても厭な話だ…。女性であればとくにそう感じるのでは。辛かったです…。2015/10/19

けいちゃっぷ

13
不思議な手触りの読後感でした。 暴動や内乱の危険な世情のさなか、同窓会に集まったのは3人だけ。 リーダー的存在のホスト、感情をそぎ落としたかのような謎めいた家政婦、3人のゲスト。 不穏なのは外だけでなく家の中も。 ホストの誘導か、場の空気か、彼らが隠していた秘密が一つまた一つと剥されてゆく・・・。 派手さはないが読者も心理的に圧迫されていくような。 なんだけど、『海外マストリード100』でネタバレを食らった気分のまま読んだのが残念だった(帯にも興ざめなことが書かれていたが)。 335ページ 2015/04/16

紅咲文庫

11
パチーコ、バタビー、マルジオリオ、ダラーキス。同級生が集まって行われる夕食会の日にクーデーターが起き、町のあちこちで銃声が聞こえ装甲車が走っている。そんな中、パチーコの家では夕食会は続けられ、パチーコのアントニアに対する破滅的な行為が細切れに語られ始める。この小説が好きだ、今回で4度目だろうか。今はバタビーの心情がいちばん響く。目を背け、存在しないことにしてしまっているあれを容赦なく友人達の前で晒され怒りながら安堵する。そう、思い出したくないことは無かったように、忘れたように日々を過ごすこともできるよね→2021/08/14

梅しそ

7
変な小説好きの読み友さんからオススメしてもらった本で買ったあと積読山に見失っていたのをさいきん整理して見つけたのでまた見失わないようすぐに読んだらかなり変で面白かった。半年に一度パーティを開くのを定例にしている同窓生グループの一夜のお話なんだが、反政府組織の暴動で厳戒態勢のとある国という背景でいろいろきな臭い事態に絡まれつつ、グループのリーダー的な色男の胸糞悪くなるような告白を聞いていくというのがおおまかなストーリー。ずっと色男の自宅で話が進むのだけど、なんとなく演劇的な舞台を見ているような印象でした。2015/05/17

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