扶桑社ミステリー<br> ザ・キープ〈上〉

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扶桑社ミステリー
ザ・キープ〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 301p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784594013318
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

1941年、ルーマニアのトランシルヴァニア地方。ドイツ軍に占領された中世の城塞に、ある夜、ただならぬ絶叫が響きわたった。地下室に駆けつけた兵士たちが見たものは、首を引きちぎられた仲間の無残な死体だった。さらに第2、第3の殺人が起き、恐慌をきたしたドイツ軍は、ユダヤ人の歴史学者クーザに調査を命じる。現場に残された古代文字を手がかりに殺戮者の正体を追うクーザの前にある夜、おぞましい異形の存在が姿を現わした。吸血鬼伝説とナチスの侵略という時代背景を巧みに融合させた伝奇ホラーの金字塔。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

57
数十年前に読んだものを再読。第二次大戦中のトランシルバニアにナチスが山中の謎のザ・キープ(城塞)を拠点とすることに。誰が建てたのか不明だが近くの村の住民に維持費が長年に渡って送られてきていた。兵士の一人が砦の壁を壊してから残虐な死が兵士たちを襲う。この城塞を調べたことのある老学者とその娘が呼び出されるのだが、そして、ここに急行する謎の男…… B級ホラーの佳作。実にベタでストレートさにある種の驚きを感じた。独自の表現がでてくるのでまさかアレかと。手持ちの文庫は映画化で出版され映画ポスターと映像でデザイン。2016/10/17

Panzer Leader

38
三十数年ぶりの再読。独ソ戦開始前、ルーマニアの古城に駐屯を命ぜられた国防軍の分遣隊の兵士たちに降りかかる奇怪な殺人事件。その解決のため親衛隊少佐率いる悪名高き特別行動隊が送り込まれる。古城の謎を解くためユダヤ人歴史学者とその娘も呼ばれ、またこの事件を感じ取った謎の男がポルトガルから駆け付ける。吸血鬼伝説とナチスの侵略を取り合わせたホラー小説。久々に読んでも面白い。思えば本書でポール・ウィルソンにはまって「アドヴァーサリ・サイクル」や「始末屋ジャック」シリーズを読み出すきっかけとなったものだった。2017/10/23

tosca

22
ポール・ウィルスンって知らなかったけど、なんで今まで読まなかったのかと思うほど好みな感じ。題材が吸血鬼という事もあるけれど、ドイツ軍に占領された中世の城塞という設定も面白い。ナチ嫌いな国防軍大尉がSS将校に対してSSのやり方を咎めるセリフ「いったんコースを走り出したら、どんなにそれが無益とわかろうと、どれだけ多くの人間を殺さねばならなくなろうと、自分の間違いを認めるよりは走り続けるのだ」、これって非ナチ化とか言ってるプーチンじゃないか。何を読んでも戦争がよぎる。プーチン、お前がネオナチなんじゃ、ぼけ。2022/04/11

Yu。

21
“アレ”はいつ誰がなんの為に建てた物なのか… 時は第二次世界大戦中のルーマニアはトランシルヴァニア・アルプス山中の切り立った岩山の砦(城塞)を駐屯地としてドイツ軍が足を踏み入れた事により甦る魔物伝説。おもしろい!!二人のドイツ人将校の確執に焦点を当てたミリタリードラマに目を向けつつの、ってところが逆にホラー部分のミステリアス度を高める上に両者の旨みを味わえる。そしてそんな彼らの物語に巻き込まれていく歴史学者のユダヤ人父娘やそこへ向かう謎の赤毛の男の存在があの中で起きた惨劇にどう関わるのか‥ いざ下巻へ。2016/12/16

miroku

20
クトゥルー系のギミックとブラド系の吸血鬼がどう結びつくのか? さて……。2019/01/13

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