内容説明
ザニーは6歳のとき、4歳の坊やウィリーを池に沈めて殺した。大好きな猿のお人形をとりあげられたから。つづいてパン屋のおじさんを焼殺した。おじさんがよそ者の子に親切にしたから。いったい、あどけない彼女が殺人者などとだれが思っただろう。両親はうすうす事情を察して、ザニーを修道院の寄宿学校に入れたが、優雅で上品な美少女に成長したザニーは、またしても事件を起こした。欲しいものを、めざす男性を手に入れるために―。しかし、彼女は思っている。神様にお祈りを3回となえれば、きっと許してもらえるわ、と。英国の気鋭女流作家が、美少女の心の奥底に潜む魔性をえぐりだす、悪夢のような異常心理サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネコベス
37
六歳の頃、ザニーは幼い少年を池に沈め、気に入らない子を道路に突き飛ばし、その結果車は炎上。娘の危険な性分を危惧した両親はザニーを修道院に預けた。修道院で美しく成長しおとなしく暮らしていたザニーは、庭師の青年マーフィーに恋をした。人を殺す事に全く罪悪感を覚えない悪魔の子ザニーと、ザニーの狂気に振り回され苛まれる両親、ザニーの正体を知って狡猾にそれを利用する友人ドリーの奇妙な人間模様。自分好みのダークでシニカルな心理サスペンス小説で楽しめた。2020/05/14
KO
3
善悪の観念のない美しい子供が深く考えることなく犯罪を犯す。ストーリー展開は古典的だけど、今読んでも面白いと思う。何度も読みたいとは思わないけど。2015/06/01
Rinopy
3
美少女が無邪気に殺人を犯す…というと、かなり古い作品で申し訳ないけど、わたなべまさこの漫画「聖ロザリンド」みたいな作品を想像していましたが、ちょっと期待はずれでした…周りの大人が振り回され気味なのが怖いというより滑稽な感じ。2012/07/07
アインシュタイン
1
綺麗な女の子の無邪気な殺人。誰も自白を信じない。うーん…うーん…2012/03/29