感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
274
リンド・ワード(文・絵)。ワードはシカゴ生まれ、アメリカの絵本作家。本書はコールデコット賞の受賞作。1952年の刊とあって、随所に古さは否めないが、絵本の歴史を概観するには必須の作品の一つだろう。お話も絵もまったくのリアリズムでファンタジックな要素はほとんどない。アメリカ北部の田舎(ミネソタあたりだろうか)で実際にありそうなお話である。絵の技法はモノクロームの石版画だろうか。これまた徹底して真面目に描かれている。なお、訳文は古いというよりも、そもそも日本語として幾分か難点が感じられる。2024/03/16
やすらぎ🍀
180
この絵本を手に取ることがあったら、表紙で物語を想像した後、本を開く前に裏表紙を見てほしい。自然に抗えず俯く背中を見送ることになるだろう。こんなに大きな熊を仕留めたぞ、どの家にも壁には毛皮が干してあるのに、ここにはない。自然で生きるためには必要のないことかもしれないけど、祖父は他の人より少し優しかったから。悔しい主人公の少年ジョニーは森に入っていく。そして出会い、絵本は少年の揺れ動く感情とともに進んでいく。作者リンド・ワードは版画家である。優しさ、切なさ、悲しみ、それぞれの道へ。1952年に出版された物語。2023/07/31
Willie the Wildcat
52
自然との共生、そして野生動物保護の難しさ。ジョニーの心の変化がこれらを表現。特に、ジョニーの”覚悟”と、たまをこめられない心境が印象的。絵は、私の大好きなRockwell氏の雰囲気。特に印象的なのは裏表紙。ジョニー、熊、両方から哀愁を感じる。蛇足だが、「かえでさとう」が何のことなのかすぐに浮かばなかった。(汗)2012/09/02
魚京童!
37
のこされたみちは、ただ ひとつです。ジョニーくんは、じぶんでやる、といいました。2016/05/29
みつばちい
35
二年生の授業で読んだ。熊を狩ろうとしたけど、こぐまだったので連れ帰り可愛がっていたら大きくなってしまい、森にかえそうとするが、、こぐまに出会った場面では「可愛い!」と声が上がり、何度も熊が戻ってきてしまう場面で笑いが起きていた。罠にかかる場面では息をのむ気配がした。モノクロだけと絵が綺麗で子どもたちも集中していた。2021/10/12