teens’ best selections<br> ぼくたちはまだ出逢っていない

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ぼくたちはまだ出逢っていない

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  • サイズ 46判/ページ数 295p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784591174999
  • NDC分類 K913
  • Cコード C8093

出版社内容情報

イギリス人の父親と日本人の母親を持つ中3の陸は、バスケ部の豪大から何かと絡まれ、暴力を受けている。
一方、母親の再婚を機に岡山から京都に引っ越してきた中2の美雨は、学校にも、家にも、居場所がなく、京都の町をさまよい歩いては時間をつぶす毎日。いつものようにさまよい歩いていたとき、ショーウインドウに飾られた器が月明かりに一瞬きらめくのを見た美雨は、その美しさに心奪われる。そのときの胸の高鳴りが、美雨を思わぬところに誘っていく……。
それぞれに自分のアイデンティティを探すなかで辿り着く、「漆」がつなぐ陸と美雨、ふたりの出逢い。
京都を舞台に、伝統工芸の「漆」「金継ぎ」を扱いながら、子どもたちを取り巻く社会問題をも描いた青春小説。

***************

【目次】
1.おれって、何者?
2.あたしって、自意識過剰?
3.「バス」
4.骨董屋
5.十円ハゲ
6.「月光」
7.蛇の木
8.大也
9.「バス」2
10.漆芸修復師
11.傷跡
12.ペイン、ペイン、ゴー アウェイ
13.傷だらけの木
14.出会い
15.なんか、おれ。負けてる気がする
16.マグカップ
17.勉強するのはなんのため?
18.合格祝い
19.いさかい
20.ありのまま
21.ホームパーティー
22.つなぐ
23.萌芽更新

内容説明

イギリス人の父親と日本人の母親を持つ中三の陸。母親の再婚相手の家に岡山から越してきた中二の美雨。それぞれ自分のアイデンティティを探して、たどりついた「漆」がつなぐ縁。そこから少しずつ世界が変わっていく―。

著者等紹介

八束澄子[ヤツカスミコ]
広島県因島生まれ。『青春航路ふぇにっくす丸』(文溪堂)で日本児童文学者協会賞、『わたしの、好きな人』(講談社)で野間児童文芸賞受賞。『明日のひこうき雲』『団地のコトリ』(ともにポプラ社)は国際推薦児童図書目録「ホワイト・イレブンズ」に選出。日本児童文学者協会会員。「季節風」「松ぼっくり」同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

☆よいこ

90
YA。金継ぎ「ありのままを受け入れ、傷ついたその姿に美を見出す」▽母の再婚で京都にきた美雨(みう)は自分の居場所がないと悩んでいた。イギリス人の父親をもつハーフの陸(りく)は同級生から執拗に暴力を受け苦しんでいる。不安定な心持ちの中学生たちは、いつか自分自身の居場所や生きがいを見つけたいと願いつつ、日々を懸命に過ごしている。あてもなく京都の町をさ迷っていた美雨は、骨董屋の店先に飾られた茶碗に強く引き付けられた▽正統派YA。表紙の金が効いてる。三人に幸あれ。良本2023/01/26

ゆみねこ

85
母の再婚で岡山から京都に越してきて家に馴染めない中2の美雨。イギリス人の父を持ち学校でイジメに遭っている中3の陸。それぞれが自分の居場所や目標を探してたどり着いた[漆]。金継ぎを通して変わって行く中学生たちが清々しい。YAジャンルの本ですが、大人にもお薦め!そして装丁が素晴らしいのです。3人の中学生をつなぐ金継ぎ、素敵過ぎます!2022/11/12

美紀ちゃん

76
再婚家族と金継ぎ、壊れたものを元に戻し、継ぐ人の想いや美意識などが加わり美しく生まれ変わる。いつか夢中になれるものに出会いたい。「心が動くかどうか?動いたらそれを信じて進むだけ。」小菅センパイが「また病気になるかもと不安」と。美雨の返しが強い。「大丈夫です。壊れたら、私がなおします」安心する。呼び継ぎ、よく似た他のかけらを継ぐ。バラバラに見えるピースでもひとつになると美しい姿に生まれ変わる。家族も同じかもしれない。ずっと3人で仲良くしていてほしい。読後よく見たら表紙が金継ぎになっていて納得、感動。2022/11/05

ナミのママ

69
著者の体験をもとに京都に実在する店舗と店主をモデルにしたジュニア向け作品。中学3年の陸はイギリス人と日本人のハーフ、いじめを受けている。救いは同級生の樹とのたわいない会話。2人で過ごす放課後はまさに青春。もう1人、母の再婚で岡山から来た中学2年の美雨。いきなり義兄となった一歳上の大也との接し方に悩み家に居場所を見つけられない。一軒の骨董屋での出会い、伝統工芸「金継ぎ」と「漆」。その技術と工程、自然の力、店主の言葉に少しずつ心を開き、生き方を見つけていく若い姿が眩しい。読み終わると表紙の意味がよくわかる。2022/12/20

はる

65
爽やかな読後感。ああ、若いっていいなあ…。いじめ、病気、新しい家族。それぞれが悩み、将来に不安を抱える3人の中学生たち。彼らは「漆」が縁で出会い、繋がっていく。彼らが訪れる漆芸工房の人たちが魅力的で、思わず私も体験したくなる。それぞれが夢を見出し、少しずつ前に進み出す3人。大切な仲間に出会えた彼らが羨ましい。2022/12/07

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