出版社内容情報
増田 ユリヤ[マスダユリヤ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
88
リアル書店購入本。 mRNAが薬品に使えるかもしれない、人の命を救えるかもしれない。はい、多分私の命もmRNAワクチンで救われたと思っています。職場が病院なので(今でも)いつ感染してもおかしくない状況ですし、残りの5パーセントで今もポツポツ看護師さんとかが感染していますし…。 どんなタンパクでも作ることができるmRNA…、理論上はアセトアルデヒドを分解する酵素をつくるmRNAを注射して二日酔い撃退とかもできそいうです。 rRNAとかtRNA偽装のmRNAでワクチンを作ったとか細かいへえーも詰まっていました2023/08/01
ミライ
42
現在世界中で接種されている新型コロナワクチンである「mRNAワクチン」の開発者であるカタリン・カリコさんの研究者としての半生と生きざまを紹介した一冊(リモートワーク対談形式)。社会主義体制下のハンガリーに生まれ、東西冷戦の中で不景気だった母国を去り、娘のテディベアに全財産を忍ばせてアメリカへ渡るなどかなりの壮絶人生。新型コロナワクチンは1年程度で作成・承認されたが、RNAの研究自体は数十年前から行われていたようで、読めばmRNAワクチンに対してのイメージが変わるかもです。2021/11/26
たまきら
36
21年出版のため、カリコ先生がまだノーベル生理学・医学賞を受賞する前の話です。今や絵本でも紹介されている先生の不遇の連続だった人生が前半に、そして注目を浴びるきっかけとなったコロナワクチンの説明が後半に紹介されています。誰もが無関心だったころからRNA分子を人にごり押しする「RNAハスラー」で、自称「最低のセールスウーマン」な彼女の苦難の連続だった研究人生には驚くばかり。家族のサポートの話(娘さんは金メダリスト)にはほっこりしました。よくまとめられている内容です。2024/04/23
いーたん
28
コロナワクチンにとって欠かせないmRNAワクチンの開発に貢献した技術を生み出したハンガリー出身の女性科学者カタリン・カリコ氏の経歴と業績を、ご本人や関係者の方へのインタビューを通じて紹介されています。移民で訛りのある英語で話す、不安定な地位の女性科学者の話をちゃんと聞いてもらえることは少なく、いつも研究資金の確保に苦労されていました。しかし、自分の研究が、必ず誰かの何かに役に立つと信じて40年続けてきた成果が実を結び、パンデミックの世界を救いました。新しいことに挑戦することの大切さと困難さが伝わる一冊。2022/02/11
Tenouji
25
研究ものの読み物として素晴らしかった。mRNAワクチン開発者カタリン・カリコ女史の、伝記的な内容。ハンガリー出身の基礎研究者として、非常に厳しい状況を生き抜いてこられたことが綴られている。mRNAワクチンの仕組み自体は、そんなに詳しく語れていないが、iPS細胞とのつながりについて、最後に山仲教授が語られていて興味深かった。基礎研究と企業との間に「死の谷」があり、日本はそこを乗り越える仕組みづくりを避けてきたんだよね。2021/10/30