出版社内容情報
田向先生は、目の前に苦しむ命がある限り、どんな症例にも立ち向かう獣医さん。100種類を超える動物たちとの出会いと別れを、ユーモラスに語ります。
内容説明
2センチのアマガエルから78センチのリクガメまで!毎日、毎日、動物病院にやってくる、言葉を話せないさまざまなペットたち。100種類を超える動物たちの治療をしてきた田向先生がたどりついた、「命を飼う」ことの意味とは?笑って泣いて考える、生きものの命との向きあい方。
目次
プロローグ 動物病院のあわただしい毎日
第1章 めずらしい動物が集まる病院(診察した動物は、百種類以上;病気やケガを治すだけではない! ほか)
第2章 ぼくが獣医をめざした理由(セミの羽化に夢中になった日;最初のペット ほか)
第3章 獣医になってわかったこと(イグアナの治療法は大学では教わらない!?;「獣医語」を覚えるところから ほか)
第4章 命を飼う、ということ(命の終わりを考える;最期まで、いっしょにすごす ほか)
著者等紹介
田向健一[タムカイケンイチ]
1973年、愛知県生まれ。麻布大学獣医学部卒業。今までに治療した動物は100種類以上(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
92
なかなか興味深かったです。子供向きらしいけど。 様々な動物が来るので、著者の工夫がいっぱい。 ウーパールーパー専用手術台、カメの手術でお腹側にドアを開ける、なんて特許物! アマガエルやイモリの手術はちょっとの出血や圧力が死につながるので神経使うそうで、アマガエルの手術頼む人もいるんだ、と驚き。2020/12/09
ゆみきーにゃ
88
《図書館》犬、猫だけでなく色んな動物を診ている獣医師さんのお話。学校でどんなことを勉強するかなど書いてあるので獣医師目指している人には本当オススメ!人間側のかわいそうと動物側のかわいそうのお話はすっごく考えさせられた。延命治療のお話も獣医師さんの言っていることも、飼い主さんの気持ちもどっちもわかる。答えは簡単に見つからない。2019/07/30
☆よいこ
66
犬や猫だけでなく、フィレットやウサギ、ヘビやカエルやカメなども診る獣医師の診療日記。病気を診断し投薬治療をするだけでなく、外科手術も行う。珍しいペットたちをどうやって診ているのか、その創意工夫が面白い。第1章の珍しい動物たちの話で引き付けておき、第2章では獣医を目指した理由をかく。好きなことを追い求める楽しさが感じられる。おすすめしたいのは第3章と第4章「命の現場」において、ペットを飼うことの責任を考えさせる。結局は死んでしまうという動物医療の難しさと、命にまっすぐ向き合う著者の姿勢をかく。コラムも充実。2020/01/22
ユカ
50
図書館で。小中学生向けの児童書で,田向先生がどんなふうに珍獣ドクターになったのかが書かれていますが,ペットを飼っている人・これから飼いたい人なら誰にでもおすすめです。野山を駆けまわって生き物をつかまえたり飼ったりしたという先生の幼少期のお話は,自分の思い出とも重なっておもしろかったです。命との向き合い方のお話は,涙が。好きなことをみつけること,それをしながら生きていくための方法をみつけること,楽しいこともつらいこともたくさん経験すること,自分で考えること,オープンでいること,命には等しく終わりがあること。2017/12/02
クロ
11
犬や猫のほかにも、ウサギやネズミ、モモンガ、サル、ブタ、カエルにカメ、ワラビーやアリクイなど、いわゆる珍獣といわれる動物まで診察してくれる獣医さん、田向先生が子供向けに書いた本。犬、猫用はあっても体の大きさや作りが違う珍獣を治療したり手術する道具はないわけで…。先生はキッチンで使うトングやら、魚焼き用の金網やらを工夫したり、自分で手作りしたりして治療にあたっている。それは、それだけ真摯に命と向き合ってくれているからだろう。とてもいい本だった。2018/06/24