ぼくは君たちを憎まないことにした

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  • サイズ B6判/ページ数 149p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784591150900
  • NDC分類 956
  • Cコード C0098

出版社内容情報



アントワーヌ・レリス[アントワーヌレリス]

内容説明

暗闇の中で言葉は灯になる。パリ同時多発テロ事件後、フェイスブックで世界を駆け巡った「勇気の言葉」。妻をテロリストに奪われた夫が、小さな息子と紡ぎだす人間の希望。

目次

野蛮の夜
待つ
てんとう虫
ほかの原因も…
妻に会う
演奏の準備ができた
ぼくは君たちを憎まないことにした
時間の主人
手作りの料理

頑張って
指先
落ち込む権利
遺品の整理
メルヴィルの手紙
物語の終わり
ママがいる

著者等紹介

レリス,アントワーヌ[レリス,アントワーヌ] [Leiris,Antoine]
1981年5月21日パリ生まれ。ジャーナリスト。元France Info、France Bleuの文化担当記者。2015年11月13日のパリ同時多発テロ事件で、バタクラン劇場にいた妻エレーヌ・ミュヤル=レリスを失う

土居佳代子[ドイカヨコ]
青山学院大学文学部フランス語フランス文学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chimako

99
テロで最愛の妻とたった一人の母を亡くした父子の2週間。子はたった17ヶ月。父は息子の爪さえ切ったことがなかった。突然の出来事に呆然とする父に日常を運んでくるのはその17ヶ月の息子だった。ミルクを飲み、保育園に行き、昼寝をしてお風呂に入る。食事などどうでも良い父とは違い、息子はお腹を空かすのだった。これは3日間で20万件も共有された《犯人に宛てた手紙》を書いたジャーナリストの心の叫び。観念的で散文詩を読んでいるようだった。事件の後、多くの人からかけられた「頑張って」は刑の宣告。……印象に残る1節だった。2016/10/27

佳音

92
ニースでテロが起きました。奇しくも私は、昨日読了したのです。この本はパリの同時多発テロで劇場で妻を喪った男性のfacebookが反響を呼び本に著されたもの。呼ぶでしょうね。私になんともモヤモヤした嫌な感情が芽生えていたので、手に取ったのだけど、「ぼくは君たちを憎まないことにした」の章は、読者を浄化に導いて救ってくれる。小さな子と二人、喪失の大きさを纏いながら日々を送らなければならない。憎しみは、君たちの目標を達成させてしまうという彼の言葉。ニーステロが発生し、彼はどう思っているだろうか。2016/07/14

jam

88
人を呪わば穴ふたつ、負が身内を喰らう慟哭の先で、人は憎しみを飼いならす。憎悪は愛の対局に在る。だから、表題を見た時はきれい過ぎると感じた。フランス、テロに妻を奪われた夫の2週間の言葉にしては。しかし、読後は違う。彼は幼児を抱え途方に暮れた。彼は小さな男の子の父だった。これは、食べて眠り、泣いて笑う小さな温もりへの覚悟の言葉なのだ。生きていればそうしたであろう、最愛の妻の、母の愛情。これを綴ることで彼が行き着いた場所。この先、自分の言葉に迷う時も来るだろうが、健やかな子の寝顔がいつの時も彼の灯となるだろう。2016/08/09

美紀ちゃん

81
著者の憔悴がものすごい。奥さんが亡くなってからの2週間の様子。悲しみの中に沈んでいるのが伝わってくる。事件後Facebookに「テロリストへの手紙」を投稿し世界中で話題になった。犠牲者は130人そのうちバタクラン劇場では89人が犠牲になり奥さんもそこで亡くなった。(イーグルス・オブ・デス・メタルの事件後のインタビューをYouTubeで見た。メンバーが語るバタクランの混乱は戦場そのものだった。)←YouTubeを見た感想。著者は悲しみや苦悩と向き合い自分と息子男2人の人生を歩もうとしている。泣ける本。2021/09/19

亜希

40
2015年11月13日のパリ同時多発テロ事件で最愛の妻を亡くしたジャーナリストの夫が書いた一冊。著者がテロリストに宛ててSNS上に載せた本書の題名を冠した手紙+事件発生後2週間の出来事(日記)のみの収録のため、あっという間に読めるし本としては正直物足りない。ただこの手紙を事件発生から3日後の11/16に書いたということが、私的に一番衝撃でした。2016/07/15

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