石巻市立大川小学校「事故検証委員会」を検証する

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  • サイズ B6判/ページ数 271p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784591137062
  • NDC分類 369.31
  • Cコード C0095

内容説明

3.11の大津波で、全校生徒108名のうち74名が死亡・行方不明となる大惨事が起きた宮城県石巻市立大川小学校。遺族の親たちは真相の究明と正確な記録を求めた。だが、スタートした「検証委員会」は遺族を無視し果てしない迷走を始める―。子どもたちの命を守れなかった教育現場でいったい何が起きていたのか。異様な「検証」の姿を浮き彫りにする迫真のドキュメント!

目次

第1章 調査を投げ出した石巻市教育委員会(あの日、大川小学校で何が起きたのか?;遺族の問いと市教委の対応)
第2章 遺族無視「公正中立」とは何か?(遺族抜きで第三者検証機関設置を予算化した市教委;文科省が案件を引き取る? ほか)
第3章 事故検証委員会の迷走(第一回検証委員会スタート;「ユーチューブに流されると困る」と不安を口にする委員 ほか)
第4章 「検証」の後に残されたもの(遺族が専門家に求めていたもの;遺族軽視の設計 ほか)

著者等紹介

池上正樹[イケガミマサキ]
1962年生まれ。大学卒業後、通信社勤務を経て、フリーのジャーナリストに

加藤順子[カトウヨリコ]
フォトジャーナリスト。気象予報士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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壱萬弐仟縁

26
市教委の体質: 1年半かけてほんの少ししか事実を明らかにできない。51分かけて180メートルしか進めなかった大川 小学校。ぐずぐずしているのは、市教委も小学校も同じ(30頁)。避難ルートがおかしいので、津波に向かっていったような もので、多くの児童が亡くなってしまった。判断ミスは否めない。教員の責任は免れえない。教委も益々免れ得ない。 何度も出てくるA教諭の証言がポイントとなってくるが、なかなか真実は見えてこない。亡くなった方々のために、真実を 真摯に解明してほしいと願うばかり。 2015/04/28

ぐうぐう

25
理不尽な事故により子供を失った親は、子を亡くした哀しみに加え、その後、第二第三の哀しみを背負うことになる。ときに、メディアによって、行政によって、司法によって。全校児童108人のうち、震災当日、欠席したり、保護者によって引き取られた子供を除く76人の児童が津波に呑まれ、たった4人の生存者以外、すべて命を落とした石巻市立大川小学校の悲劇。親達は当然、当時の状況を知りたいと願う。しかし、早々に調査を投げ出す市教育委員会、のちに設立された事故検証委員会の裏づけなし検証の数々。(つづく)2014/03/22

魂の叫び

8
何度も借りてその度に石巻市教育委員会と事故検証委員会には呆れまくると同時に5700万円の税金を投入したにもかかわらずその内容は遺族が調査したものより杜撰であり適当であり隠蔽、虚偽の報告書… こんなことだから教育委員会や国が信じられなくなるだよな。遺族が中心でないといけないのにないがしろにされている… 石巻市に行ったら、あ〜子供に冷たい教育委員会があるところだな〜と思います。本に出てくるA教諭を表舞台に出さない時点で後ろめたいことをしているのは明らかなのに(怒)一人でも多くの方に知って読んでほしい!2015/02/23

くれの

6
責任逃れに終始する委員の姿に苛立ちが募り、当事者不在の真相究明とはほとほと呆れます。事なかれ主義に傾ぐ指導者がために津波で亡くなった子どもたちは無念でしょう。人の痛みを我が事として委員会が機能して欲しかったです。2014/04/10

猫耳

5
結局、「なぜ大川小の子どもたちは、亡くならなければならなかったのか」という遺族の方々の疑念を、「事故検証委員会」は晴らしてくれることはなかった。結局は、本書で推察しているとおり、「山に逃げて怪我をしたら責任を取れない」ことによる事なかれ主義が招いた悲劇なのではないか。結果的にかけがえのない尊い命が失われてしまったのに、市教委や学校側の責任逃れとも思えるような一連の対応(聞き取り調査のメモの破棄、証言を捻じ曲げた記述)を読んでいて、憤りを感じた。2014/08/25

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