内容説明
あるひ、ぼくのいえにあたらしいとうさんがきた。「…おじさん」とよんだら、かあさんにしかられた。だまりこんだぼくにとうさんは「いいよ。いいよ。おじさんで」と、わらいながらいってくれた。だけど、さいきん、ぼくが「おじさん」とよぶごとに、とうさんのからだがどんどんみどりいろになって、すきとおっていくみたいなんだ。どうしちゃったんだろう…。
著者等紹介
内田麟太郎[ウチダリンタロウ]
1941年、福岡県生まれ。看板職人を経て、絵詞(えことば)作家になる。『すやすやタヌキがねていたら』(文研出版)で日本絵本賞を受賞。この他、『さかさまライオン』(童心社)で絵本にっぽん賞、『うそつきのつき』(文溪堂)で小学館児童出版文化賞、『がたごとがたごと』(童心社)で日本絵本賞、『かあちゃんかいじゅう』(ひかりのくに)でけんぶち絵本の里大賞など受賞多数
つよしゆうこ[ツヨシユウコ]
1961年、兵庫県生まれ。京都精華大学洋画科卒業。以来、絵本や挿絵の作品のほか、エッチングやドローイング作品など、精力的に制作を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒラP@ehon.gohon
22
あとがきを読んで、とても複雑な思いになりました。新しいお母さんが連れてきた、血のつながらない弟から見たお父さんは、間違いなく新しいお父さんです。 カッパなんかであるはずがありません。 でも、見知らぬ生き物に見えたかもしれません。 終盤での話の飛躍が納得できた時に、ふと思いました。 義母に愛されることの少なかったという、内田麟太郎さんには、新しいお母さんは何に見えたのでしょうか。 様々な作品を量産される内田さんの心の広さを考えつつ、このエピソードも1つの分子なのだと思いました。2021/07/06
おはなし会 芽ぶっく
9
新しいお父さんを、お父さんと呼べず「おじさん」と呼んでしまうぼく。ある日一緒に釣りに行くことになり…。男同士の秘密を持ったことで仲良くなれたかな?2023/03/08
遠い日
7
内田さんが描く、親子の話は濃い思いが漂う。ご自身のつらい思い出がその底にあるからだ。トオルとおじさんの関係が、血の繋がり以上のものになるまでの心の揺れが切実で切ない。愛というものの不思議をみる。2014/02/15
遠い日
6
161109【読書ノート/ひとことメモ】新しい父さんとのやりとり。心は繋がる。2016/11/09
anne@灯れ松明の火
6
内田麟太郎さん講演会予習。あとがきを読み、内田さんの思いがけない一面を知った。『なきすぎてはいけない』を読んだ時、いつも笑わせてくれる内田作品との違いに驚いたけれど、もしかしたら、こちら系統が本当の内田作品なのかもしれない・・・・・・。2012/01/28