内容説明
あの日、2004年12月26日。すべてをのみこんでいった津波。それでも、人びとはまた歩きはじめる。被災したジャーナリストたちがみつめつづけた、インドネシア・アチェの人びとの1年。
著者等紹介
藤谷健[フジタニタケシ]
1963年、東京生まれ。国際基督教大学(ICU)教養学部卒業。在学中にフィリピン・シリマン大学に1年間交換留学。1987年朝日新聞社入社。1993年にロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)で開発学修士。外報部に配属後、ローマ兼ベオグラード支局長、英字紙ヘラルド朝日編集部を経て、2004年からジャカルタ支局長。アチェのほか、コソボなど旧ユーゴスラビアや旧ザイールなどで紛争取材を経験。途上国の開発問題にも強い関心を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒラP@ehon.gohon
23
かつて日本語の津波が、国際語の「TUNAMI」として認識されたスマトラ沖地震がありました。 当時、日本ではこんなことは起こらないだろうと、対岸の火事と思っていた時には、この生々しい写真絵本には無感動だったでしょう。 でも、今この絵本を目にすると、東日本大震災で思い出したくない、直視したくない現実に、客観的に向き合うことになりました。 写真の中に死体が写し出されています。 この地の人は、忘れないために、乗り越えるために、あえて写真にフィルターをかけないのでしょう。 2022/03/20
ruri
3
地震や津波の経験から日本人は災害の悲しみや辛さをよく知っている。 普段日本の非難をする国に大震災が起きて救助が必要になったら、日本はすぐに駆けつけるだろう。 世界からの助けてに答えることができる日本や、助けてと言える日本であってほしい。 歴史の溝はある。でも、今を見て生きる。2016/08/19
こどもふみちゃん
2
インドネシアの西の端スマトラ島アチェ州では独立を求める戦争が29年も続いていた。その戦いのさなか、スマトラ沖大津波が襲った。津波はモスクを残し、アチェ全体で17万人の犠牲者を出した。アチェの人々は『アラー神の怒りだ』と言い合った。 戦争が終わったのは良かったけれど、津波で無くなった人はあまりにも多かった。 3・5歳の息子に読み聞かせた。何かを感じ取ってくれたはずだと思う。2010/09/21
るぅ
1
東日本大震災が起こる前の2004年12月26日のスマトラ沖地震。テレビ画面に映る津波の様子を「大変だ」と思いつつとこか対岸の火事だった日本。まさか7年後に日本にあの未曾有の津波が押し寄せるとは。スマトラ沖地震ではこの震災がきっかけのひとつとなり内戦が終結した。戦争をも終わらせる天災の恐ろしさと人間の無力さ。同時にそこから立ち直ろうとする人間の強さ。最後の子どもたちの笑顔の写真に希望が溢れている。2018/03/30
punyupunyu
1
図書館で手に取った本。2004年12月、スパトラ沖の大地震の被害をまとめた本。インドネシアは大きな火山もあり島国。日本とよく似た地勢。2013/03/10