出版社内容情報
前者=44講は感覚,感情,意識,理性,記憶等々の主題群を,後者=25講は物質,生命,自然,神を主題化し,哲学と宗教の諸潮流を検討。
目次
心理学講義(全44講)(心理学の対象と、心理学が研究する事象に固有な諸特徴;心理的事象と物理的事象との区別、生理学的心理学;心理学の方法;心理的事象の分類 ほか)
形而上学講義(全25講)(認識の客観的価値について;懐疑論;観念論;独断論 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
著書以外の出版を拒否したベルクソンの遺言に始まる冒頭には、20世紀哲学のベルクソニズムの興隆に面して(ハイデガー等)、遺言の禁を破り、ベルクソンのリセの講義録を刊行したとある。本書は心理学と形而上学に関する講義を収録するが、各講のテーマは哲学教育に沿った教科書的な区分であり、さらに受講生のノートの文字起こしである点が著作と大いに異なる。が、2つの間接的条件があるにせよ、ベルクソンの形而上学の批判が、科学として意識を扱う心理学から超知性的直観を注視する精神の形而上学への刷新へと徐々に向かう足取りが辿れる。2024/09/30