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りぶらりあ選書
戦争論―われわれの内にひそむ女神ベローナ

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  • サイズ B6判/ページ数 294p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588020520
  • NDC分類 391.1
  • Cコード C1336

出版社内容情報

原始から近代に至る戦争の形態と理論を国家の発達との関連において追求。精神の奥底に潜む戦争礼賛の信仰を探り、この根源的諸力からの人間回復は何かを提示する。<初版1974年>

内容説明

戦争の仕組みと形態・その理論を国家の発達との関連において歴史的に考察し、かつては政治の下婢であった戦争が今や巨大な熱核兵器をもって政治の上に厳然と君臨している現実を説き明かす。人間精神の奥底にひそむ戦争礼賛の信仰を追求し、「戦争への転げ落ちる坂道」の危機とこれら脅威の根源的諸力からの解放の道を探り、真の人間的回復は何かを提示する。

目次

第1部 戦争と国家の発達(戦争の原形態と小規模戦争;古代中国の戦争法;鉄砲・歩兵・民主主義;イポリット・ド・ギベールと共和国戦争の観念;国民戦争の到来;ジャン・ジョレスと社会主義的軍隊の理念)
第2部 戦争の眩暈(近代戦争の諸条件;戦争の予言者たち;全体戦争;戦争への信仰;戦争 国民の宿命;無秩序への回帰;社会が沸点に達するとき)

著者等紹介

カイヨワ,ロジェ[カイヨワ,ロジェ][Caillois,Roger]
1913‐78。フランスのマルヌ県ランスに生まれる。エコール・ノルマルを卒業後アンドレ・ブルトンに会い、シュルレアリスム運動に参加するが数年にして訣別する。38年バタイユ、レリスらと「社会学研究会」を結成。39‐44年文化使節としてアルゼンチンへ渡り「レットル・フランセーズ」を創刊。48年ユネスコにはいり、52年から対角線の諸科学つまり哲学的人文科学的学際にささげた国際雑誌『ディオゲネス』を刊行し編集長をつとめた。71年アカデミー・フランセーズ会員

秋枝茂夫[アキエダシゲオ]
1931年生る。54年早稲田大学文学部卒業。64‐67年ベルギー政府留学生としてルーヴァン大学高等哲学院に学ぶ。68年早稲田大学大学院博士課程修了。横浜市立大学教授を経て現在、同大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

燃えつきた棒

38
連日、ウクライナにおけるロシア軍の蛮行が報道されている。大多数のロシア国民もまた、容易に国営メディアに洗脳され、この戦争を支持しているらしい。 私事とも相まって、胸塞ぐ日々だ。 だが、僕にはまだ心のどこかに、チェーホフを、ナボコフを、ソローキンを生んだロシア人の可能性を信じてみたい気持ちがある。 ほとんど希望らしい希望は見えないのだが。/2022/05/14

メロン泥棒

0
1963年刊。原題は『ベローナ、戦争への傾斜』。古代から現代までの人類が止められなかった戦争について論じる。古代の戦争は「祭り」であり、中世の戦争は貴族の名誉であった。兵器の開発により個人の名誉が無くなると同時に敵に対する敬意は失われ、ただの殺戮となった。しかし、そこには貴族も平民も無く平等な国民が生まれ、総力戦となった戦争は国民全員に薄く行き渡り、戦争のために政治はあるとさえ言える。かなり刺激的だが、著者がベトナムの泥沼や冷戦の終結、終わらない地域紛争をみたらどう思うだろうか。2010/09/14

わび

0
第一部では主に近世からフランス革命にかけて、第二部では19世紀後半から第二次世界大戦期にかけての戦争と社会の展開や戦争の予言者、観察者の考察が叙述され、第二部の最後では近代における戦争が古代の「祭り」と同じ機能を果たしていることが指摘される。身構えて読み始めたが、論旨は明快で訳文も分かりやすかった。2018/03/21

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