出版社内容情報
『純粋理性批判』を初学徒・専門研究に向け入門的に説きカントの思想世界に導く。その成立と構成,方法論を簡潔に注解しそれ自身がはらむ問題や疑問にも言及する。
内容説明
『純粋理性批判』を入門的に説き明かした、初学者・専門研究のための簡潔な哲学注解。
目次
1 歴史的展望―経済論と合理論、独断論と懐疑論
2 超越論的哲学の理念と課題―『純粋理性批判』の第一版および第二版の序文と序論
3 『純粋理性批判』の構成―その体系的連関
4 感性―直観の形式としての空間と時間(超越論的感性論)
5 悟性―カテゴリーと原則(超越論的分析論)
6 理性―超越論的仮象と超越論的弁証論の課題
7 人間理性の自然的弁証論の意義とその成果
8 超越論的方法論
9 『純粋理性批判』の統一、ならびに他の批判的主著と『純粋理性批判』との連関
10 困難、問題、疑問
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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『純粋理性批判』の内容、特に構造を、特別な解釈の介在なしに示した本。なぜこの箇所ではこのような概念が与えられたり、なぜ議論の進路がこのようになるかについて、カントに即して平明に語られている。分量も多く、ややもするとカントの言葉の意図を見失いがちな第一批判の読解のためには、確かに大きな補助となった。2012/12/13
靑三
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『純粋理性批判』の「入門」として読むより副読本とするのが良いだらう。 それにしてもこのまづい訳はどうにかならなかつたのか。2015/02/27
ひろゆき
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あとがきに、放送大学の通信講座のテキストとあるが、信じられない。「入門講義」とあっても、普通の入門書ではないため、初学者では無理のような。だが、時間をかけ、よく読み込めば、なんとか可能かな。もちろん『純粋理性批判』を傍らにして。いくらふるさととはいえ、ドイツ恐るべし。2014/09/21