叢書・ウニベルシタス<br> 聖と俗 - 宗教的なるものの本質について

叢書・ウニベルシタス
聖と俗 - 宗教的なるものの本質について

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  • サイズ B6判/ページ数 258,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588000140
  • NDC分類 161
  • Cコード C1314

出版社内容情報

聖なるものの現象形態全般と,その中での宗教的人間の生存状況,精神的宇宙をあざやかに照射しつつ,俗化した現代社会における我我の在りかたに疑問をなげかける。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Uncle.Tom

22
(再読)世界との強い結びつき。宗教的人間にはそれが強く感じられます。人の内面と世界とを結びつける。彼らの社会では人の内面にある聖なるものを通した世界解釈を行います。自然の中に生きている以上、ある意味でそれは極めて“自然”な状態でしょう。そして神話がそれを裏付け、祭儀によってそれを体感として感じる。これは非聖化された僕らにとってもある種共感できるのではないでしょうか。僕らも何かしらの神話を求めています。宗教を否定することによって、僕らは何かとんでもないものを取りこぼしてしまったのではないか、と常々感じます。2019/11/09

em

19
最近円環や水といったメタファー、神話的なものにつきまとわれていたので、エリアーデを開いてみました。収穫のひとつは、時間について。神話的時間が円環的、可逆的といわれるのは、単に観念上の話ではない。たとえば古代の祭祀は、原初(宇宙創世)の時を再現し、そこに回帰させるもの。一方、不可逆な歴史的(直線的)時間はユダヤ教によってもたらされる。キリスト教がそれを推し進め、福音書は、ピラトゥスという総督がいた「特定の」時間を語り始める。…海外ならエリアーデ、日本なら折口は私の永遠のアイドル。2018/02/11

白義

18
宗教的なものが衰退したように見える現代でも、レジャー的なものであれ個人的なものであれ、全ての人間が「宗教的人間」として世界の聖なる側面を感知する瞬間がある。本書は古来、人が自然を、時間と空間を、そして自分たちのライフサイクルそのものを聖化してきたかを集成したエリアーデ版の宗教学入門と言える一冊。至高神として仕事を終えたのちは世界の表舞台から遠ざかる「閑なる神」としての天空神、母なる混沌にして深淵としての水、小宇宙としての人体を象徴的に再現した住居…といろいろな話の元ネタが詰まっている2014/08/30

Uncle.Tom

16
本書通読を通して、宗教学とユング心理学の密接なつながりを確認することができました。この点は本書を読んだことの最も大きな収穫でした。宗教的な営みにおいては、宗教的儀礼を通して自己の存在を世界に位置付けます。一方でユング派の心理療法ではそれぞれクライアントの内面を掘り下げていくことにより、世界の中に自己を位置付けます。両者とも自己を発見する、掘り起こすという面はかなりの類似が見られます。世界と自分の関わりというのは、人として最も大切にされるべきものなのだと感じさせられました。宗教学に興味のある方は是非に!2019/10/21

またの名

10
「故郷、初恋の景色、若い時に訪れた異郷の都市の特定の場所…これらの場所はすべて、全く非宗教的な人間にとってさえ特殊な、独自の意味を持っている」ので個人の聖域を意味すると説く研究。エリアーデ曰く宗教的人間だったらなおさら均質で無味乾燥な空間の中に断絶が入りそこだけ異なる絶対的な固定点が啓示されると、特権的シニフィアンが君臨したが如く、それを中心に世界は存在論的に創建。神話が語る世界創造を含む聖なる原初の時間は祭式や儀礼を通じ模倣され、神々の歴史はいつでもそこに反復する。宗教と世俗は構造以外の点でのみ差異化。2024/05/04

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