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検察が危ない

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  • サイズ 新書判/ページ数 206p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784584122747
  • NDC分類 327.13
  • Cコード C0231

内容説明

絶えることのない「政治とカネ」の騒動。小沢一郎氏をめぐる政治資金問題への検察捜査は「劣化」そのものであった。検察はいつからおかしくなったのだろうか。一九九二年、東京佐川急便事件・金丸五億円ヤミ献金の上申書による罰金二〇万円決着が国民の怒りを買う。そして、一人の男が検察庁の表札に黄色いペンキを投げつけた。検察が世論を意識し始めた瞬間である。起死回生の金丸脱税事件の後、検察の歪みは「ゼネコン汚職事件」で極端な形で表れる。著者自らが体験、目撃してきた検察の内実とは―。“孤高の狼”として検察を批判し続ける著者が、新たな時代の抜本的改革に向けて贈る強烈なメッセージ。

目次

第1章 陸山会土地取得をめぐる政治資金問題(捜査の最大の被害者;記載は存在していた ほか)
第2章 ガダルカナル化する特捜検察(「小沢代表秘書逮捕」をどう受け止めたか;表献金か、裏献金か ほか)
第3章 世論に煽られ、世論を煽る(「贈収賄」への固執;投げつけられたペンキ ほか)
第4章 検察をめぐる「思考停止」の構造(人間の生活ではない特捜勤務;「人生」とは言えない二カ月 ほか)
第5章 検察革命(「伝統的機能」と「社会的機能」;特捜的システムの限界 ほか)

著者等紹介

郷原信郎[ゴウハラノブオ]
1955年島根県生まれ。東京大学理学部卒業。1983年検事任官の後、公正取引委員会事務局審査部付検事、東京地検検事、広島地検特別刑事部長、法務省法務総合研究所研究官、長崎地検次席検事などを経て、2006年弁護士登録。現在、名城大学教授・コンプライアンス研究センター長、総務省顧問・コンプライアンス室長。組織におけるコンプライアンス問題の第一人者。法令・規則・ルールを守ることが自己目的化するという「遵守」の弊害を指摘している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

向う岸

3
検察官だった著者の経験と実際の事件から、特捜部の問題点を指摘する本。幹部の命令が絶対であり、その幹部が捜査を決め予算や人員を投入したからには何としてでも成果を上げなければならないので、現場が無理をしなければならなくなる。 そのため違法な捜査や尋問、こじつけな法解釈の立件が起こってしまう。組織の失敗を個人に無理を強いることで挽回しようとする。 無理が通れば道理が引っ込むのは、企業も検察も同じだ。特捜部の暴走を後押しするのは世論であり、世論を煽り特捜部を煽りマッチポンプを繰り返すのがマスコミであるわけだ。2012/09/17

jamko

2
危ないどころじゃないんじゃないのと、最近の郵政不正事件の裁判などでも思う。特捜部のズレ具合が半端ないのだけど、でもこうまでなってしまったのは裁判所もそういう検察の無茶な言い分を認めてきたからではないか。逮捕までで興味が尽きる国民も悪かろうが、まったくチェック機能を果たさないマスコミもどうなんでしょうか。2010/05/01

hayatama

2
元検事さんですよ。いいんですか、検察庁?それからマスコミの皆さん?ぼろくそに言われてますよ。三井某が言うのとは若干重みが違いますよ。内容はいちいち肯けた。ただ、問題は我々「国民」です。2010/04/09

ceskepivo

1
「告発本」というと、著者の個人的な恨みから書かれることがあるが、本書は、検察の実態を冷静に書いており、その分説得力がある。佐川急便事件で、検察庁に看板にペンキが投げられたことから、検察は世論を非常に意識し、捜査を進めていくという姿勢が顕著になったという(80頁)。そして、筋書き通りの供述調書を作成して、それへの署名を迫るという無理な取り調べが行われている(113頁)。特捜の応援検事がボートの漕ぎ手になっており、サッカーのように故人の主体性と判断が活かされていないというのは分かりやすい指摘(191頁)。2011/10/02

しんぺい

1
警察・検察だけでなく裁判までも予定調和で進む。 個人で正義を貫いても組織に潰される。 腐敗した組織は解体しないと再生は無理だと思う。 2011/03/06

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