出版社内容情報
江戸時代に日本全国を測量してわが国最初の実測日本地図を作った伊能忠敬。伊能図の見方のポイントと偉人の生涯を知る。
星埜 由尚[ホシノ ヨシヒサ]
監修
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
110
以前読んだ井上ひさしの長編『4千万歩の男』の主人公 伊能忠敬の人と仕事、測量の工程他解説した本。大型本なので地図なども読みやすい。1800年に始まった全国の測量は10次の測量で約17年間続いた。驚かされるのはその地図が現在の地図とほとんど変わりないことだ。現在なら人工衛星や高度な測量機器がある。しかし当時は自分の足幅とほぼ手作りの測量道具で行っていた。根気と熱意がなければまず成り立たなかったはずだ。改めて『4千万歩の男』を再読したくなった。氏には伊能忠敬について解説した本もある。2021/11/17
はるわか
16
伊能忠敬が測量を始めた直接の理由は「いったい地球の直径はどれくらいなのか」という疑問から。2019/03/28
鯖
14
先日のヒストリアでの特集を更に詳しく。監修の方も国土地理院の星埜さんで一緒だった。半島を測量するのに、根本を測って誤差が出ないようにしたり、共通して見える塔や山を利用したり、星を利用したり…。昼ずっと測量しつづけて、夜はそれをひたすら下図に落とし込む。過酷な作業だよなあ。忠敬が体調を崩すと、規律がゆるみ、各地でウナギの蒲焼きだの特別待遇だのを要求するようになり、片腕ともいえる弟子を破門したことも。しかし50歳から勉強し始めて、これだけのことを成し遂げたのはすごいよなあと思う。…職場としてはブラックだけど。2018/07/18
hitotak
6
伊能忠敬の作った詳細な日本地図と様々な測量器具の紹介だけでなく、当時の測量方法などがわかりやすく図解されている。文章だけではよく理解できないし、何より伊能地図をじっくり眺められるので、伊能忠敬を知るにはこういうビジュアル本が最適なのではないかと思う。地味な雰囲気の表紙だけど、本誌のイラストは親しみやすく、読んでいて楽しい。詳細な日記や手紙も掲載され、その人となりや生涯もよくわかる。地図作りは隠居後に成し遂げた大仕事で、その体力・気力には驚くばかりだ。2018/07/08
じじちょん
5
完成された地図の大きさを初めて知った。更に測量法や誤差の修正など詳しく載っている。測量隊の行程やメンバーの管理など地図作成以外の苦労も知ることができた。 表紙が地味だが、とても面白い一冊。 2019/04/18