内容説明
まだ不安定だった大和朝廷の中枢に突如現れ、百年にわたって権勢を誇った豪族・蘇我氏。しかしその出自もはっきりしなければ、なぜ滅ぼされたのかも諸説さまざまである。ただ確かなのは、彼らがこの国の土台作りで決して欠かせない役割を果たしたことだ。豪族連合から天皇制国家へ―。古代史を駆け抜けた一族の全貌を描く。
目次
第1章 蘇我系大王の登場
第2章 蘇我稲目の時代
第3章 静かなる策士・蘇我馬子
第4章 蘇我・物部の戦い
第5章 用心深い二代目・蘇我蝦夷
第6章 王位争いと蘇我蝦夷
第7章 才能におぼれた蘇我入鹿
第8章 蘇我入鹿と山背大兄王
第9章 入鹿暗殺
第10章 蘇我石川麻呂の滅亡
著者等紹介
武光誠[タケミツマコト]
1950年山口県防府市生まれ。東京大学大学院史学科博士課程修了。現在、明治学院大学教授。日本古代史を中心に日本文化を比較文化的視点で扱った研究に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おらひらお
5
2008年初版。古代の豪族の蘇我氏の概要を知ることができる一冊です。それにしても、中大兄は悪いな~。2012/10/10
路地裏のオヤジ
3
蘇我氏は悪いイメージを持たれているが、それは体制がそのように情報操作しているから。実際は開明的な一族であったようである?2019/10/20
Humbaba
2
教科書では名前だけしか触れられることのない蘇我氏について,様々な説明がされている.2010/03/03
Mistral_K
1
渡来系氏族を統率することで力をつけ、倭国の大王家の発展に貢献した蘇我氏が、国力が向上し直接中国との交流ができるようになる過程で力の源泉を失い、ついには権力闘争の舞台から退場するまでの過程をわかりやすくまとめている。古代史を見る一つの視座を与えてくれる一冊。2017/12/16
カキモトのおでん
1
大王が豪族連合のまとめ役から国家の長になっていく過程で、蘇我氏が果たした役割について述べている。葛城氏の傍系であることや一族内での闘争の理由などには納得。ただ、これが通説とどれぐらい異なっているのか、知識が無くてわからないので網野も読もう。2013/11/02