平凡社新書
森林からのニッポン再生

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582853803
  • NDC分類 652.1
  • Cコード C0261

内容説明

江戸時代は禿山が多く、第二次大戦後の植林で緑化が進んだ。人工林は天然林より植物が多様で、生物相も豊富。このように、人工林が環境保護という面でも大きな役割を果たしていることは、意外と知られていない。だが、山村の過疎化や高齢化により、森は危機に直面している。今、“森林大国ニッポン”は、再生か否かの分岐点にある。「自然も山村も都市もつながっている」―新たな視点から日本の森を捉えなおす。

目次

第1章 日本の森林の素顔を探る(日本は世界に冠たる森林大国;存在しない「太古からの原生林」 ほか)
第2章 ニッポン林業盛衰記(海外に打って出る日本林業;林業は焼き畑から生まれた! ほか)
第3章 森から見たムラの素顔(山村は、もう一つの日本;木を売らなかった山里の経済 ほか)
第4章 森と林業と山村を考える(人と森がつくる生態系社会;林業は環境を守る最先端ビジネス ほか)

著者等紹介

田中淳夫[タナカアツオ]
1959年大阪府生まれ。静岡大学農学部林学科卒業。出版社、新聞社勤務を経て森林ジャーナリストに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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翔亀

45
「生物多様性は破壊が生み出す」とか「二酸化炭素を出す森と貯める街」とか奇を衒う見出しが目次に並ぶが意外に真っ当。自称<日本唯一の森林ジャーナリスト>だけあって、口は悪いが押さえは確実。何より森林を良く歩いているし、林業の実態をよく知っている。そこから引き出される自然論は説得力がある。あの「自然は人間がいなくても困らないが、人間は自然なしには生きていけない」の前段を批判するのだ。人間の生活が生態系を創り出してきた、と。そこには生態系のキーストーンとなってしまった人類という種の責任を引受ける覚悟がある。↓2016/10/04

丸太

3
田中淳夫初読み。バイオマスに期待するも手放し礼讃はしない、人工林の優れた点の多さを認めるなど、衒いや偏りの無い誠実な著作。森林を軸に、自然、人間、経済、コミュニティーと意欲的に取り組んだため、まとまりに欠けるが、価値のある一冊。2015/12/09

もりにく

1
ちょっと古めの情報だけど、まだまだ林業について無知なので色々と勉強になりました。あるいは、自分とは相違な考えもあり新鮮でした。 田中さんの著書、色々と読み漁ろ。2014/05/27

かっちゃん

0
今まで受けた講義の内容とかぶることも多いけれど、忘れていたこともあったり復習になったり、違う事例があったりして面白い。割とすらすら読めたのもそのせいだろうか。2015/11/16

taming_sfc

0
田中淳夫先生による2007年の著作。日本の森林の歴史的変遷と現状、原生林と人工林、緑のダム言説に関する考察、二酸化炭素の固定と森林、など森林について知っておくべき情報をきれいにまとめて提示してくれており、森林資源に興味関心のある学生にお勧めできる。また、個人的に読んでいて楽しかったのは、第四章であり、森林を中心として人間が作り出す「生態系社会」なる概念の元、今後森林資源の活用によって生み出されうるビジネス、社会、について最先端の事例から紐解いている。大変読みやすく、お勧めの書である。2011/11/06

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