平凡社新書<br> 古事記の宇宙論(コスモロジー)

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平凡社新書
古事記の宇宙論(コスモロジー)

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  • サイズ 新書判/ページ数 210p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582852486
  • NDC分類 913.2
  • Cコード C0293

内容説明

日本古代の神話は、たんなる素朴な言い伝えでも、歴史的出来事を反映しただけのものでもない。それは、古代農耕社会に不可欠だった宇宙観と自然観、すなわち天体の運行や季節の循環についての体系的知識を神々やさまざまな象徴=記号に託して表現した緻密で壮大な宇宙論なのだ。記号論と神話論理学の手法を駆使して、宇宙劇としての『古事記』の壮大な体系を読み解く。

目次

古事記とはなにか
天地創造
天地の分離
宇宙論
水の統御
オホクニヌシ物語
ウツシヨ(顕世)とカクレヨ(幽世)との交換
「天孫降臨」
海幸彦・山幸彦

著者等紹介

北沢方邦[キタザワマサクニ]
1929年静岡県生まれ。構造人類学、音楽社会学、科学認識論専攻。桐朋学園大学教授、信州大学教授、神戸芸術工科大学・同大学院教授を経て、現在信州大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

桔梗屋

0
古代日本人は星に対する関心がことのほか薄く、ギリシャ神話に代表されるような星と星座に関する伝説は、オリジナルなものを遂に生み出せなかった…という既存の通説を叩き潰しにかかった意欲作。古事記の神々と伝承を、実際の星空に対照して語源解釈で脇を固める。ヤマタノヲロチが蠍座で、オリオンの三ツ星がヲロチを断った剣であり、ギリシャ神話と攻守が逆なところが素敵です。大和三山神話の解釈や、サルタヒコとウズメ、コノハナサクヤの扱いも斬新。何より、日本人も遠い昔から星空に思いを馳せてたんじゃん、ってのが、とてもいい気分だ。2016/07/24

非日常口

0
『日本神話のコスモロジー』『歳時記のコスモロジー』を読んだ後にこの本を読むといかにエッセンスが集約されているのかが分かります。とてもおいしい一冊なのではないでしょうか。一般的な古事記の解説とは一線を画し、神様の系譜図や、主要な神様の解説も載る非常にお買い得な一冊とも言えます。でも、やや難解な部分もあるので再読は必要になるでしょう。有名な星座に対する僕たちの見解をキレイに古事記の方に寄せてくれます。2012/10/16

Seizou Ikeda

0
『古事記』という題名に興味を持って買って読んだが、「神話学」による『古事記』の解釈という内容が単なるこじつけの連続のように思えて、面白くもなく、あまり参考にならなかった。2012/05/30

結城あすか

0
『古事記』というと日本神話を記した最古の古典だけど、そこに記されている神話は昨今では天武朝の政治史の反映によって恣意的に作為されたもの的な国史学者による解釈が支配的であり、長らく純粋な神話学による解釈は忘れ去られていたにょ。独特な内容としては神話と星座との関連付けが積極的に行われて、紹介されていることだにょ。従来の神話解釈では個々の神々の名前が星座に比定されていることはあっても、注釈的な記載に終わり、神話と星座との具体的な関連付けが明らかにされることは珍しかったにょ。2005/09/21

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