内容説明
複雑で魅力的なワル。誘惑する女、男を滅ぼす美しい「化け」物。だからこそ征服欲をそそるのか、それとも男の倒錯した変身願望か?ところが不思議、かつて「悪女」は「醜女」のことだった。いつから悪女は「危険な美女」になったのだろうか?文学、歴史から映画、レディコミまで自在に渉猟、オトコの願望とオンナの技の結晶=悪女を徹底解剖する。
目次
1 悪女は本当に美人か?
2 「悪」いのは「女」
3 弱い女求む
4 女は化け物
5 高級娼婦
6 倒錯のマドンナ
7 毒婦と妖婦
8 女性の憧れる「悪女」
著者等紹介
堀江珠喜[ホリエタマキ]
1954年兵庫県生まれ。中学から大学院修士課程まで神戸女学院に学ぶ。神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。現在大阪府立大学教授
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感想・レビュー
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コットン
65
表題の「…なぜ…ひかれるか」にファム・ファタール&毒婦についての面白い考察が聞けるかと思いましたが、副題の「悪女学入門」とあるようにごく初歩的な入門で、期待したものとは違い残念な結果でした。2018/12/09
HANAE
2
バビロン批評したくて読んだ本、まあなんか…19年前に書かれた本ですねって感じ 定義の変遷を辿る構成自体はわりかし面白かった2022/02/03
Hiroki Nishizumi
2
なぜ悪女に(why)というより、どんな悪女が(who)どのようなことを(how)という感じの内容。また上手い表題にやられたな‥‥2017/08/18
べ
1
P161 女性要素 美 官能的 男性要素 パワーエネルギー判断力 どちらも兼ね備える P179ファムファタル 誘惑は悪魔的2021/06/29
ねぼ
1
「毒婦」「悪女」と「ファムファタル」の違い。ファムファタルに必ず与えられる罰である死。この死の意味を考察するのも面白いのかも。同じファムファタルでも『椿姫』の死はどこかロマンティック、『ナナ』の死はリアリスティックなように感じる。作者が込めた想いがその死に込められてるのでは。2021/10/31