内容説明
伐って儲けて、育てて守る―。日本の森を元気にするために今、新たな林業が模索されている。育林、加工、流通の見直しから、都市と山村の新たなネットワークまで、ユニークな森づくりの試みに迫る。森を救うのは、人である!目からウロコの新・林業論。
目次
はじめに―森林と林家のためにできること
第1部 森林危機の本当の姿(森林危機には二種類ある;木を売らなかった林業 ほか)
第2部 林業を環境産業に変える(間伐しなくても森は育つ;植えなくても木は生える ほか)
第3部 日本が変われば森も変わる(山村ファンをつくるシステム;長期伐採権制度で森林経営を ほか)
著者等紹介
田中淳夫[タナカアツオ]
1959年大阪府生まれ。静岡大学農学部林学科卒業。出版社、新聞社を経てフリーランスの森林ジャーナリストに
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感想・レビュー
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Schuhschnabel
3
『絶望の林業』を読んで、筆者が日本の林業に「絶望」するに至った経緯を知りたくなり読んでみた。20年前の本だが、あまり現状が良くなったようには思えない(木材自給率などの数値でみれば改善されてはいるが)。それより何より、この頃は筆者も希望に溢れているというか、先進事例を取り上げて、これこそが日本の林業の進むべき道だと言わんばかりの青さを感じた。個人的には、民俗学を懐古趣味と考えている節がある気がして、そこには少しイラっとした。2022/02/27
taming_sfc
2
田中淳夫先生による2002年の著作。その後の田中先生の著書の礎とでも言える内容で、非常に興味深い。森林機器の本当の姿、林業を環境産業に変える、日本が変われば森も変わる、と続く章では、現在の日本においていかにして林業を立て直し、新たな産業として育成していくかといった問題に対して、極めて現実的に道筋を付けているように思われる。初学者おすすめの一冊。2011/11/14
シャコンヌ
1
儲かる林業に変えることが結果として日本の森林を救うことになる、という考え方はユニークだと思った。2010/04/06
しんぺい
1
林業の衰退は、輸入材の影響だけでなく、時代にあった商品を開発、流通させなかった事である。「りぐぱる」という商品が気になる。2009/09/30
ayataka
0
日本の森林や林業の現状についてある程度知っている人であれば、面白く読める本だと思います。個人的には、森を貸し出す取り組みが面白かったです。2016/06/13