内容説明
手妻と呼ばれる日本独自の奇術が花開いた江戸時代、一文銭や紐を用いた趣味人の座敷手品、芝居小屋での脱出奇術や水芸などプロの大業と手練奇術、そして、精妙なからくり人形や歌舞伎舞台の大仕掛けまで、日本人は創造的で楽しいトリックに満ちた芸能を作り上げていた。江戸の人たちを魅了した欺しと洒落のマジック世界を、ミステリと奇術の達人が案内する。
目次
奇術前史
放下と幻術
はじめての奇術書『神仙戯術』
趣味人の座敷手品
プロの舞台奇術
江戸の手練奇術
からくりと時計
江戸の怪奇趣味
歌舞伎のからくり
奇術と料理
伝承の奇術
世界との交流時代へ
著者等紹介
泡坂妻夫[アワサカツマオ]
1933年東京都生まれ。小説家。紋章上絵師の家業を続けながら小説を執筆し、76年に「DL2号機事件」で推理作家としてデビュー。代表作に、『乱れからくり』(日本推理作家協会賞、角川書店)、『折鶴』(泉鏡花文学賞、文芸春秋)、『蔭桔梗』(直木賞)、『家紋の話』(以上、新潮社)、『亜愛一郎の狼狽』(東京創元社)、『奇術探偵曽我佳城全集』(講談社)など。奇術家としても知られ、石田天海賞を受賞
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