平凡社選書
先住民族の「近代史」―植民地主義を超えるために

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 281p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582842128
  • NDC分類 316.8
  • Cコード C0020

内容説明

先住民族の問題が、単なる「失われた文化」の保存や「奪われた権利」の回復に終わるならば、それは近代社会における「博物館」のような意味しかもたないであろう。本書は、先住民族の歴史や文化を、そうした「近代化」によって「失われた過去」の回復、あるいは行き詰まった「近代」を超えるユートピアとしてではなく、逆に近代国家のただ中でこそ、先住民族が動員され利用された経緯を明らかにする。近代国民国家こそが、先住民族問題を「課題」として生み出したという新たなテーゼを提示し、先住民族研究のパラダイムを切り拓く画期的な力作。

目次

第1章 近代オリンピックと先住民族―文化とスポーツの国際化と民族差別
第2章 アイヌ民族と「日本人」の極地探検―先住民族の「遺産(知的所有権)」とその収奪の歴史
第3章 近代国家日本と「北海道」「沖縄」の植民地化―アジアにおける「先住民族」形成の一事例
第4章 大規模「水銀中毒」と先住民族―技術革新と経済成長、そして環境破壊と人権侵害
第5章 「合州国」と「国際連合」を生み出した先住民族―先住民族の政治的知恵としての「連邦制」
第6章 核開発と先住民族の「核植民地化」―核開発を可能にした民族差別の構造

著者等紹介

上村英明[ウエムラヒデアキ]
1956年熊本県生まれ。慶応義塾大学法学部卒業、早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了。現在、明治学院大学国際平和研究所特別所員。市民外交センター代表
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。