会社はこれからどうなるのか

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  • サイズ B6判/ページ数 341p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784582829778
  • NDC分類 335.21
  • Cコード C0033

出版社内容情報

【この本をお薦めします!~紀伊國屋書店新宿本店・M.I.】
 経済書を読んで、久し振りにすっきりとした、明るい気持になった。少し長い時間の流れのなかで、経済や会社の現在と未来を考える、このような本が今まであまりに少なかったように思う。著者は理論経済学者であり、内容も極めて原理主義的。短期的な局面では逆の現象や反論もあり得るだろうが、歴史を見つめ、日本の会社の将来に期待を馳せる内容はビジネスマンやビジネスウーマンに対する応援歌に読めた。「ですます調」の文体も読みやすく、だいぶ頭が固くなっている私でも殆ど一気に読めてしまった。さすが、「小林秀雄賞」受賞作。

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内容説明

現在の日本経済を覆っているデフレは、たんなる景気循環による不景気ではない。かつての驚異的な高度成長のベースにあった産業資本主義が形を変え、ポスト産業資本主義に変質しつつある大転換に、日本の「会社」がうまく対応できないために起こっているのだ。日本が二十一世紀を生き抜くためには、産業資本主義時代のまま生き残っている個々の「会社」の仕組みを根本から洗い直し、新しい資本主義にふさわしい形にしていかなければならない。本書は、会社の仕組みを基礎の基礎からやさしく説き起こし、経営者、サラリーマン、そして、これから就職する学生諸氏が、新しい資本主義にふさわしい会社のあり方、新しい働き方を考えるヒントを提供する。

目次

第1章 なぜいま、日本の会社はリストラをするのか
第2章 会社という不思議な存在
第3章 会社の仕組み
第4章 法人論争と日本型資本主義
第5章 日本型資本主義とサラリーマン
第6章 日本型資本主義の起源
第7章 資本主義とは何か
第8章 デ・ファクト・スタンダードとコア・コンピタンス
第9章 ポスト産業資本主義における会社のあり方
第10章 会社で働くということ

著者等紹介

岩井克人[イワイカツヒト]
1947年生まれ。専門は経済理論。東京大学経済学部卒業、マサチューセッツ工科大学Ph.D.。イェール大学助教授、東京大学助教授、プリンストン大学客員準教授、ペンシルベニア大学客員教授などを経て、89年より東京大学経済学部教授。2001年より学部長。“Disequilibrium Dynamics”で日経・経済図書文化賞特賞、『貨幣論』でサントリー学芸賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みゃーこ

15
経済学は苦手だがこれは私にでも非常に判り易く丁寧である。(確か賞を取った作品)経済学は合理性の論理を徹底的に押し勧めて自らの学問としての限界を明らかにすることができる。法人実在説と法人名目説の違いがこの本でやっと理解できたのが幸せ。日本型資本主義の苦境の要因は「グローバル化」「IT化」「金融革命」の潮流の変化に法人実在説が不適合をおこしていることによっている。2012/10/23

マカロニ マカロン

7
個人の感想です:B。本書の元ネタは2001年の雑誌インタビュー、それを再構成して2003年に出版された本。まだスマホが存在しない時代(ドコモFOMAはあったが)なので、ITといってもマイクロソフトWindowsが前提。従って「失われた10年余」とかエンロン、アジア金融危機というキーワードが出てきて隔世の感はあるが、日本的資本主義の分析は興味深い点もある。この本は「会社は誰のものか」というテーマに経営者でも株主でもなく、雇用されている労働者側の観点から見た会社論で、注目点もあったが、如何せん古さは感じる2023/09/01

藤枝梅安

5
◆「ヴェニスの商人の資本論」や「貨幣論」など、経済学をわかりやすく解説した著書で知られる岩井克人さんが2003年に発表したもの。  編集者とのインタヴューのテープを起こして本に編んだもので、「です、ます」で書かれている。 ◆「リストラ」と「クビ切リ」の違いから始まり、「株式とは」「日本型資本主義」など、  難しい題材をわかりやすく噛み砕いて読者に提供してくれる。  なかでも「差異性のみが利潤を生む」という筆者の主張が繰り返されている点が印象深い。2005/10/17

デューク

4
「会社とは何か」この問いに答える名著。 あまりに内容が濃すぎて、あまりに新しい思想が多すぎて、感想は一言では述べられない。答えが書いてある本ではなく、答えを考えさせる本。それゆえに、読書中は「なるほど!」と膝を打った箇所も、読み返してみるともやもや感が残る箇所が多かった。繰り返し読んで自分の血肉としたい一冊。おすすめ。2014/12/08

Porco

4
 前半の、「ヒトはモノを所有する。ヒトは何物にも所有されない。モノがモノを所有することはない」という近代社会の原則から会社というものを説明し、アメリカ型の企業と日本型の企業の違いを端的に指摘している部分は、とてもクリアな議論で勉強になりました。後半の「会社はこれからどうなるのか」は、前半ほどのクリアさはないように感じました。しかし、サラリーマン一人ひとりにとっては、かなり厳しい時代になっていくのだということはよくわかりました。自分の強みというものがないとダメなのでしょうか?2014/05/18

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