出版社内容情報
【4月11日発売開始】藤田嗣治の1933年から41年までのエッセイ集がついに完全文庫化。藤田によるカット32点をすべて収録。
内容説明
フランスと日本の美術界の第一線で活躍したが、戦争に翻弄された藤田嗣治。二十年近い海外生活より日本に定住した一九三三年から、戦争画に注力する四一年までのエッセイを集める。軍部の派遣による中国戦線取材に関連する文章、壁画「秋田の行事」につながる日本海側へのまなざし、日本画と自作の関係についての叙述など、創作の秘密を自ら記した貴重な文献が甦る。
目次
1 独仏戦争
2 日支事変
3 南米展望
4 画嚢
5 世界漫歩
6 雑記帳
7 世界の女性
著者等紹介
藤田嗣治[フジタツグハル]
1886年東京生まれ。東京美術学校卒業。1913年に渡仏。第一次世界大戦中も欧州に残留し、ピカソ、モディリアーニ、スーティンらと交流。独自の「乳白色の下地」を確立し、名声を得る。29年に日本に一時帰国。その後中南米や北米を彷徨し、33年より日本に定住する。日中戦争、太平洋戦争中は戦争をテーマとした絵画を数多く手がける。戦後の49年に離日し、ニューヨークを経て、50年にパリに帰還。55年にフランス国籍を取得。57年にレジオン・ドヌール勲章オフィシエ章を受章。68年にチューリッヒで没する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kurupira
3
最初二章分の戦争メインの所を読み進めるのに長い時間がかかり、、でもそこを通過したら一気に読み終えれた。美や芸術についての藤田の考えが少し理解できた気がする。藤田の持つグローバルな感覚が凄いと思う、世界で認められるだけでなく日本人としての良さ・在り方を模索していた。ヨーロッパ、アメリカ以外にも、南米メキシコなども訪れその土地の文化や人間を良く観察してる、そう言えば前の展覧会でその辺りの絵もあったかな図録を見返すかな。また美術館で藤田の絵を見に行かねば、少し違う感じで見れる気がする。2019/08/24
zaqyassun
0
時代の寵児であり、世界を旅し、大戦を越え、彼の眼に見えた世界と日本。彼の言葉は、現代日本への警鐘とも期待ともとらえられる。2020/03/01