内容説明
荷風文学の核心、若き日のアメリカ体験とは何だったのか。『あめりか物語』『西遊日誌抄』など、徹底したテキスト解読と現地踏査によって、まったく新しい荷風像を浮かび上がらせ、話題を呼んだ画期的評論。「性愛」と「非戦」の思想の謎に迫る書き下ろし二章を増補した決定版。
目次
船室夜話
タコマージャップの壁を乗り越えて
二十世紀の魔界―セントルイス万国博
シカゴなる闇の中
ハドソン河を渡って
アズベリー・パークの夏の海
女たちは空飛ぶ鳥のように
ポトマック河畔に咲いた恋
雪降り頻る夜のメトロポリタン・オペラ
コニー・アイランドの暁
支那街の夏の夜
タイムズ・スクェアーの夜の女
セントラル・パークの落葉
スタッテン・アイランドの蛍
ああ、アメリカの山も水も
ローン河のほとりで
ジャズとダンスと共に蘇る「あめりか」
著者等紹介
末延芳晴[スエノブヨシハル]
1942年生まれ、東京都出身。批評家。東京大学文学部中国文学科卒業。同大学院にて中国古典詩を研究するが、思うところあって中退。73年に渡米。2000年までニューヨークに在住し、現代音楽・現代美術から風俗・文化についてユニークな批評活動を行なう。2001年帰国後から、その活動を永年あたためていた文芸評論にも広げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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