感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テーブルジョークの得意な寺
66
『おすすめ文庫王国2021』で、尾道の古本屋、弐拾dBの藤井基二さんがお薦めしていた3冊のうちのひとつ。お薦めされて読んだ私からもお薦めである。戦後、書肆ユリイカを立ち上げて、数々の詩集を世に送り出し、40の若さで亡くなった伊達得夫さんが遺した文章をまとめた一冊。口絵では書肆ユリイカが出した本の書影があり、軽快な文章は稲垣足穂や詩人たちとの交遊が記され、各章には伊達が子供たちに描いた可愛い動物の漫画イラストが頬を緩ませる。先に読んだ三木卓『若き詩人たちの青春』とシンクロする内容でもあり興味深い。つづく。2020/12/19
ステビア
25
読んだのはエディター叢書版。人柄を偲ばせる、肩の力の抜けたエッセイ集。2022/10/15
TOMYTOMY
2
ユリイカという時代を作った男。 編集者ながら、語りが見事。2018/08/04
tkm66
1
「愚か、という尊い徳」2009/11/08
夕木
1
ユリイカ。今のマニアックユリイカも好きだけど、きっとこの時代のユリイカも好きになってたはず。伊達さんの、神保町の日々が、詩人たちとの交流が、ぎゅうぎゅう詰まった本。太宰の隠れた名作『待つ』に関する小話、スウェーデンの詩人セッタリングが来日して日本政府詩人たちと会合をしたときの光景、伊達さんの記憶と筆記はなぜだか「はにかみ」が隠れているような気がする。2014/03/07