内容説明
麒麟は至治の世にしか姿を見せぬ動物である。信長は、実名とは関係のない「麟」の字に平和の代への願望を託し、自らの花押とした。発生から、執権北条氏、戦国大名、近現代の政治家まで、花押を読み解く前人未踏の試み。
目次
1 花押小史―類型の変遷を中心に
2 裏返し文字の花押
3 一字の花押
4 二合の花押
5 執権北条氏の花押について
6 十六世紀の武家の花押
7 近現代の花押
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
邑尾端子
2
古代から現代に至るまで永く我が国で用いられてきた花押について、文字として解読してみよう、という主旨の一冊。通常の古文書解読とは異なり、角度を傾けたり裏返したり分解したり、あるいは同属者や似た名前の人の花押を片っぱしから見比べて共通点から類推したり・・・とパズルのように解読していくのが面白い。近代の政治家の花押にはローマ字を用いたものも多い、というのは知らなかったので純粋に驚いた。2013/09/05
Tadashi_N
0
き作法に沿って自分の花押を作ってみよう2013/06/04
yanapong
0
花押を文字として解読する。それは当たり前の様に見えるが実はとても難しい。数多くの花押を図版や筆順・崩しの解説等交えながら読む、総合的な花押解読研究の基礎となる一冊。2012/11/06
いちはじめ
0
花押はどのように作られてきたのかを読み解く。信長の花押など、ちょっと推理物のような読み解きもあって面白い。2000/10/19
Hiroshi Higashino
0
花押の「書」としての趣は良い.2023/01/09