内容説明
「絶対知」が形成されるその瞬間から「非‐知」が始まる―。人間主義的知性が自己完結する言説の回路を解体し、認識の構造の自明性を根底から問い直す「外の思考」。
目次
1 非‐知についての講演(非‐知のもたらすもの;死の教え;非‐知と反抗;非‐知、笑い、涙)
2 非‐知
3 非‐知の未完了の体系 草稿(「無神学」のための草稿;『体系』のための草稿)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aster
51
感想としては「読んで良かった」それに尽きる。ここ最近ずっと思っていたことを書いてくれた気がする。でもこの部分が良かったなんてことを、もちろん線で引いたりすることで表せるのだけど、自分の感想以上のことはこの場においては書けなくて、もちろん書けるのだけど、バタイユに与するならば書けないし、いや、書いても良いのだけど自分が書かないのか?2022/02/04
∃.狂茶党
5
何かしら感想を書くことは難しい。 笑いについて書かれたことは、わかる気がする。 あくまでも気がするだけだ。 2021/03/21
渡邊利道
5
〈無神学大全〉5部に関連する講演集、断章、目次などのプラン、草稿断片など。どれもこれまでとほぼ同じ内容だがより全体構想がすっきり頭に入る感じがする。無理解な聴衆に向けて何度も言葉を変え角度を変え説明を試みる講演集と、詩的凝縮力が爆発する断章が素晴らしい。小説の登場人物の他者性が、読者を「外部」に触れさせるというのはきわめて魅力的な文学論だ。2017/12/27
♨️
4
一文一文と進んでいくごとに微かにその問題に切り込むことに成功しては一気に近づこうとすると失敗して...みたいな姿が講演の記録からは見られる。血をもって書く」(ニーチェ)バタイユの(おそらくは、彼が「殺した」父や恋人を目指して書いていることに由来するのかもしれない)、悲痛さがその陽気さを突き抜けて刺さる。西谷修の解説は対照的に極めて冷静。2019/03/24
急性人間病
3
死の瞬間のことを考えているとき、己が口から笑いの飛び出すとき、聖地に足を踏み入れてその空気を吸うとき。なにもなくなる。その「なにもなくなる」を目がけることが、果してできるだろうか。(バタイユが自分の書いたものに常に足りなさを感じているその素振りが、私にはこのうえなく好ましかった)2023/08/21