内容説明
マルクスが見た時代はどのようなものであったか?いかにしてマルクスは資本主義批判の視座を固め、理想社会を構想したか。今、マルクスに立ち返り、現代を考える。
目次
1章 マルクスの見た時代
2章 資本主義批判の視角
3章 共産主義革命の構想
4章 マルクスの実践行路
5章 第二インターの痙攣
6章 レーニンの革命路線
7章 ロシアで起った革命
8章 ソヴェト政権の経験
終章 マルクスと現代世界
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
28
ピュアなマルクス主義哲学者によるマルクス主義者目線での共産主義の展開とロシアにおける一面的な革命解説。イマイチよく分からない思想だったが、この本の歯切れの悪さ、負け惜しみ具合からマルクス主義はとっくに終わっているという印象を持った。というのもマルクスはずいぶんと予測を外している(例えば、労働者は生活がどんどん苦しくなる。しかし、実際、19世紀よりひどい暮らしの人が現代にそんなにいる?)し、言葉の定義が曖昧で、結局どうしていくのがいいのかという問いも漠然と「暴力革命」としか表現していない。2022/04/14
nobody
13
生産過程のうち価値の可変部分は労働力しかないのでそこで搾取する、資本主義の分析はこれだけでいい。革命の三条件は民衆の極限的逼迫、権力の弱体化、軍の掌握、プラス情勢への臨機応変と運、革命理論はこれだけでいい。馬をいかに爆走させるか苦心している横で馬が勝手に(自然発生的に)爆走し始め慌てて飛び乗ったのがロシア革命の実相ではないか。天国への道と天国に到る方法の講義への道で後者を選ぶ、或いは地図を見て「判った、今我々がいるのはあそこだ!」という笑い話が凄絶な重さをもってくる。廣松は社会主義体制崩壊の総括を逃げた。2019/05/08
世界平和 慈悲男
1
「○○とは××の棺桶に打ち付けられる最後の釘である」って言い回し格好いいからいつか使おう。2015/10/18
であげるべ
0
自分にとっては色々と「始めの一歩」な本だった。思想を理論として運用するのはなかなか難しいもので…。2014/02/17
上り下り澱
0
ソ連崩壊以後、ソ連の失敗はマルクスの失敗でないことを証明することはマルクス学者にとって急務でありました。その方法論として取られたのがスターリニズムの批判であります。果たしてマルクスの理論は正しい条件の下で社会実験されたのでしょうか、というお話。2013/09/02