平凡社ライブラリー<br> アイヌの物語世界

平凡社ライブラリー
アイヌの物語世界

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  • サイズ 文庫判/ページ数 283p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582761900
  • NDC分類 929.2
  • Cコード C0398

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

111
「完全にアイヌ語を失ってしまった40代30代20代の人たち」。第五章 アイヌ文学の歴史と現在は,アイヌ語の文学の状況の一側面を表現している。 知里幸恵の死により,弟の知里真志保とおばの金城まつの活躍。 金城まつの資料整理をした菅野茂,真志保の金田一京助の兄弟子にあたる久保寺逸彦の関係が分かった。 バチェラー,ピウスツキ,ネフスキーなどの海外の活躍。 アイヌ人では, 「鍋沢元蔵 クトネシリカ」 「葛野辰次郎 キムスポ 私家版の冊子」 「貫塩喜蔵 アイヌ叙事詩サコロペ」 「砂沢クラ クスクップオルシベ」2013/05/27

キニマ

5
アイヌ民族の自然に対する向き合い方に魅かれ購読。自然をカムイとし人限界とカムイの世界を平等なものとして向き合うことで自然を上下関係で規定せず、はたまた彼らへの尊厳を失っていない。カムイが授ける肉や毛皮に対しカムイ自身では作ることのできない酒や御幣のようなものであるイナウを人間が与える。現代では口でばかり語られる自然との真の共存である。実際に受け取れるものではないが姿勢としては価値が十分にある。自然災害が起これば自然に抗議することも面白い。口承によって伝わってきたアイヌの物語を振り返るのもよいかもしれない。2017/10/22

けいた

2
 本書は、アイヌの物語の中から、神謡、散文説話、英雄叙事詩という代表的ジャンルを選択し魅力を語るものである。  第1章から第3章にかけて、興味深いアイヌの物語を紹介しており、アイヌ文学に触れてみたいと読み手の心を揺さぶる内容となっている。その一方、「はじめに」にて、口承文芸を活字で伝えることの限界をはっきりとことわり、第4章・第5章では平易さを心掛けつつも、口承文芸の特質、アイヌ文学の系譜に関わる議論、研究史などを丹念に説明するなど学問的にも誠実なつくりとなっている。2019/07/18

2
やっぱりアイヌの考え方は興味深い。自然を司る神がいるのではなく、自然そのものが神であるという考え方。大学四年間かけてたどり着いた私なりの神の見解に一番近いなと思う。ただ、神ではない自然があることも忘れてはいけなくて、そこにどんな理由や法則があるのか、改めて考えないとなと思った。カムイワッカモーシモシ。2012/10/15

まる

1
「熱源」を読んでアイヌに興味を持ち、手に取った。アイヌの語る世界観にどっぷりと浸かれる本。「カムイ」の目線によって語られる神揺に始まり、人間の世界、超人の世界と、様々な目線で語られるアイヌ口承文芸の魅力を堪能した。文字を持たずして歴史を紡いでいく口承文芸の奥深さに感銘を受けた。 アイヌ文学がもう一度生きた文学となり得るかは、日本が真の意味で多民族国家になれるかにかかっており、それは日本が国際社会の一員になるための試金石である、 という巻末の言葉が重い。2022/04/15

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