平凡社ライブラリー<br> さんせう太夫考―中世の説経語り

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さんせう太夫考―中世の説経語り

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  • サイズ 文庫判/ページ数 335p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582760354
  • NDC分類 912.4
  • Cコード C0393

内容説明

死と蘇生の物語群を担い歩いた説経の者たち―。卑賤視の一方、畏怖されもした漂泊の民の両義的なありかたと語られた物語の構造とを照らし合せ、侵犯し救済する〈芸能の力〉をとらえる。

目次

説経序説(簓説経から浄瑠璃説経へ;講説説経から簓説経へ)
第1章 「さんせう太夫」の構造
第2章 「しんとく丸」と母子神信仰の世界
第3章 「小栗判官」―侵犯・懴悔・蘇生
第4章 「かるかや」と聖の世界
第5章 「愛護の若」と説経の終焉
補論 在地の語り物と漂泊の文学

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chanvesa

27
さんせう太夫のほかにしんとく丸や小栗判官なども含まれる。20年くらい前にこの本を読んだとき、網野善彦さんによる中世ルネサンス的なブームもあって、心踊るような本だと思った。しかし、今読むとロマンティックな感が強いように思う。最近の中世研究はどうなんだろう?鴎外の「山椒太夫」が近代的なアレンジとして本来から変容しているという指摘は納得できるが、しんとく丸から「曽根先心中」のつながりを指摘するのは、近世と中世の分断は検討しなくて良いのだろうか。しかし挑戦的な内容であることの価値は生きている本だと思う。2017/03/04

アメヲトコ

1
善光寺への旅のお伴として数年ぶりに再読。山椒太夫や苅萱、小栗判官といった中世の説経文学について、物語の構造とそれを生み出した漂泊者の論理を明らかにしようとするもの。すでに42年前に書かれた本ですが、今読んでも古さは感じず、改めて発見がありました。2015/03/14

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