内容説明
想像上の世界を縦横に走る山脈、そこに息づく奇怪な姿の怪力乱神たち。原始山岳信仰に端を発し、無名のひとびとによって語り継がれてきた、中国古代人の壮大な世界観が甦る。
目次
山海経序
南山経
西山経
北山経
東山経
中山経
海外南経
海外西経
海外北経
海外東経
海内南経
海内西経
海内北経
海内東経
大荒東経
大荒南経
大荒西経
大荒北経
海内経
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
神太郎
36
中国の魑魅魍魎も記載された幻想と現実を取りまとめた風土記である。本当にこんなのがいたのかはさておき、多分これらの意匠にも色々な理由がきっと存在していたのでしょうし、実在する動物もいたけど当時の人にはこんな風に事物が見えていたのかもしれないと考えると我々の目とはまた違う「目線」があったのだろうと気づかされます。古代の人たちの考えや目線を知る良い題材。漢方もかつては神仙思想とかも入ってて虚々実々だった部分もあるみたいなので、きっとそういうのの片鱗なんかも本書かは感じられるのではないかと思う。2021/03/17
やいっち
29
読了した……とは到底、言えない。理解不能だった。妖怪や魑魅魍魎の跋扈する、戦国時代など古い中国にて記録されていたものが、文献が散逸し、あるいは回収され、何人かの人物によって編集されたものと思われる。奇妙奇天烈な生き物が登場する。そうした怪物を食べたり傷口に体液を塗ったりすると、生き物ごとに特定の病気などに効果がある、などと。2018/11/27
テツ
25
昔の世界(まあこの場合中国だけど)は広かった。跳梁跋扈する異形の存在。様々な外見、様々な性質の彼らを羅列しているだけの百科事典的な一冊なので興味のない方には全く面白くないだろうけれど、妖怪的なお話が好きで好きで堪らない自分にとっては垂涎もの。現代に伝わる信仰や名前の異なる妖怪に影響を与えている存在もいたりして人間の想像力の凄まじさと何百年にも渡り影響を与える凄さを感じる。怪力乱神を語らずとは言うけれど、人間は昔からみんな語りたいんだよな不思議な話を。2017/03/08
クナコ
22
初読。紀元前より記され続けた古き中国の幻想風土記。荘子より古くから人を替え時代を替え書き継がれてきたとのこと。内容はひたすらに延々と中国伝説上の山、国の位置関係を東西南北で示し、現地の神、獣、名産物等を羅列する。あまりに縷々と説明が続くため各地名や位置把握、特色の記憶はもちろん、記述上の知らない漢字を調べる努力も放棄した。時代が古すぎてもはや意味不明となり字だけ残った単語も多い。およそ目を通すだけに終わったがこの想像力の逞しさには驚愕する。日本で妖怪伝説を集めたような本かと思えば解説が水木氏で納得した。2019/10/12
はちてん
21
青椅子さんが十二国記シリーズのお供に、と書かれていたので。確かに参考になります。 それにしても本書が醸している摩訶不思議な匂いはなんでしょう。比較して、日本の想像動物ってすっきりしているように思います。空間余白の美?(笑)2013/09/22